令和5年3月度 茨城放送番組審議会議事録概要

番組審議会議事録概要

令和5年3月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
令和5年3月30日(木)
AM10:33~AM11:24
開催場所
茨城放送本社3階会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 [ * ]
  • 小 西 俊 一 [ ・ ]
  • 池 田 敦 彦
  • 鎌 田 賢
  • 菊 池 康 弘
  • 鷲 田 美 加
  • 渡 辺 勝

茨城放送出席者

  • 取締役会長

    北 島 重 司

  • 代表取締役社長

    阿 部 重 典

  • 編成事業部リーダー

    鴨 川 貴 史

  • 審議室事務局

    宮 田 浩 二

議題
「CONNECT」金曜日
毎週金曜日16:00~18:35 放送

委員からの意見

委員

 今回の番組である「CONNECT」は月曜日から金曜日の帯の番組で、パーソナリティが曜日によって違っている。金曜のパーソナリティの中村ナツ子さんは初めて耳にした方だった。資料を見ずに先ず一回音源聴いてどんな感じなのかと思い、聞いて後で経歴を見て納得した。
 エンタメ界のいろんなところにアンテナを張り、情報発信をするというのはよくありそうな番組だけれども、茨城放送ではひょっとしたらそんなにない番組かと思った。時間帯も夕方の時間帯でリラックスして聴けるようないい番組だった。
 リスナーからのメールやTwitterを紹介しながら、友達に話すような形で語りかけてすいませんみたいな投稿もあったと思うが、本当に会話をしてるような形で話が成り立っていて、初めて聞く人でも聞きやすい番組だと思う。
 比較的年齢層が高めなところをターゲットにしてるように感じて、興味持って聞ける話が多かった。この回では時間の関係でカットされていたが、流れてた曲は昔の「オレたちひょうきん族」のもので、正直聞きたかったなと思った。懐かしく聴きつつも、本人も言っていたがひょっとしたら若い人がなんだこれと思いつつ、昔の昭和の文化と言うか芸能関係について興味を持って聴いてもらえるような面もあったと思う。
 話し方も台本もないのによくスラスラと話せると感心した。いろんなところからいろんな話がポンポンと出てきて、それについて的確なコメントをしながら、的確に鑑賞しているというところがすごかった。もうずっとラジオの世界で生きてるようなそんな錯覚すら受けた。
 元々は舞台女優という方なので、それにまつわる話をちりばめながら、いろんな方面の話を引き出して今後も展開していくのかと思う。すごく今後も期待できるような番組でいい番組だった。

委員

 「CONNECT」は名前の通り6年間もずっとコネクトしてきて、1000回を超える放送を続けてこれたのはやはり継続は力というか、力があるから継続したのかなと思う。午後4時から6時半というのは大事な時間帯で、これを6年間も続けてきたこと自体素晴らしい。私も何度も楽しみに聞いてるけれども、やはり金曜日だけ異質だという感じはする。他の番組よりもいい意味で異質だから、これだけ別の番組にしてもいいぐらいの感じがあって、聞き応えのある深い内容の金曜日と感じた。
 内容的に私は二つ感じて、一つはパーソナリティの中村ナツ子さんの魅力的な語り。もう一つは話題が豊富。語りについては、アナウンサーとか非常にたくさんの優秀な人たちが茨城放送にいて、女性のアナウンサーやパーソナリティには甲高い声の人もいてちょっと疲れる人がいる。これは人の好き好きだけれども、私は個人的にはこういう中村ナツ子さんのような落ち着いた低音の言葉、語り声が一番聞きやすい。
 その他に魅力的な語りという面では、ぞんざいな口調を交えても言葉に無駄がないし、間違いがない。語りに深さがあって品がある。なかなかこういう人はいないと思う。運転しながら聞いてる時が多いけれども、今回のようにしみじみと聞いてみると、なんて深い話をさりげなくできる人なんだろうと思い、プロフィールを見てみたらこの人は日本文学とか日本語をしっかり学んできた人だった。だからこういう風にできるんだと、改めて敬服した。
 二つ目の話題が豊富という面では、例えばインコの飼い方の話。鳥を飼った時には家族と情報共有をしておくことが大事とか、MIKAさんの舞台を紹介する中では、MIKAさんの本業がSMの女王だということでこの人にテレパシーがあったらいいのにと言うようなことをさりげなく言う。話題の豊富さを感じて、しかも言葉がそれだけ高度な話をしてる割にはめっちゃ面白いとかくだけた話し方をしていて、肩のこらない話し方で聞く方も気楽に聞けて、まるで落語を聴いてるような感じがした。
 一つ私から注文があるとすれば、コアな人たちが多いと思うけれども、一般的なリスナーもたくさんいるわけだから、そういう人でないとわからない言葉もたまにさらっと出てくるので話題の中に少し説明があるといいかなと思った。
 全体的には大変聴きごたえのあるいい番組で、長く続けられるとリスナーに喜ばれるいい番組になると思った。

委員

 私もとても聞きやすい番組だなと思った。この時間帯は多様なリスナーがいる時間帯で、運転中の人もいれば、家でご飯作りながらっていう方もいるだろうし、いろんな聞き方をしてると思う。様々な情報が流れる中に、中村さんのコーナーがあるような感じだと思うけれども、とても聞きやすく、声も耳に心地いい感じ。トークも軽妙で、知識も豊富。話の内容も面白い。  
 敢えて私が課題と感じたのは、まず中村さんのキャラクターがアングラというキーワードで語られてるようだが、それは入口部分を感じさせつつもあまりそこまでの深みは感じられなかった。中村さんの濃いキャラを前面に出したらより個性的なトークの時間になるかと思うけれども、一方でこの時間帯にそれをやる必要があるのかとも思う。その辺のバランスでこのような進行、内容だと思いながらも、痛し痒しというかもったいない感じもする。おそらく想定しているリスナーはガッツリ中村さんを聞きたいっていう方というよりは、もっと気楽に聞いて頂けるって言うような幅広い層を想定していると思う。なので別にこれでいいと思う一方で、中村さんの面白さ、奥深さみたいなものをより深く見せるというやり方もあるのかと思った。
 逆に遅い時間の番組で中村さんのディープな部分を全開にして「ザ・昭和」なり、「ザ・アングラ」で見せていく、聞いてもらうかたちにすると、もしかしたらこの人の魅力がより光るような気もした。
 敢えての指摘はしたものの、この時間帯の番組としては聞きやすい上質な情報番組だった。

委員

 まず中村ナツ子さんの日本語が綺麗。そして心持ち低めな声が非常に聞き取りやすく、ラジオを聞いてるというよりコンサートか舞台でMCを聞いているような心地よい開放感があった。金曜日の放送ということで、仕事が終わり明日から土日で解放に向かう時間帯なので、この曜日や時間帯がぴったりだと感じた。
 リラックスして聴ける番組の中にたくさんのディープな情報が散りばめられていて、昭和世代の私はこの番組はきっと知っていることを振り返って楽しいくらいの気持ちで聴いたが、全く知らないことがたくさんあり、私はまだ昭和を全く分かっていないことを思い知った。中村ナツ子さんは花粉症が辛いとか、忙しくて気絶をしたとかの話をしていたが、忙しいことを話してる時にもどこか楽しそうな、ゆとりのある品のある表現をしていて、聞いていて全く嫌な気持ちがしなかった。
 時間帯とディープ度合の指摘について、私はサブカルなどについては、鍾乳洞の入口からここ凄い深そうだとか、でも美しいんだなという風に覗いてるような、そういうチラ見とか覗き見みたいな感覚がすごく楽しい。ある程度やはり出っ張ったところや凹んだ所があっても、全体として丸くなっていればどの時間帯であってもそれで良いのかと感じる。
 何を聞くかというのはすごく大事だけれども、誰から聞くかというのが一番大事だと感じた。これからもパーソナリティの個性が自由にのびのびと映し出されるような、かつ楽しくて役立つ番組作りに期待したい。

委員

 昭和に青春を過ごしてきたオールドリスナーとして、退勤時に喜んで聴いている。運転中に聞きいているときには、かっこいいお姉さんで、若いのに多彩な話題と澱みないトークでオジサンを転がす名人かと思っていた。なぜ昭和の歌謡曲とかエンタメとかに詳しいのかというのは不思議だったが、この資料で背景が理解できた。
 改めて音源を聴いてみると、一字一句の原稿がないにもかかわらず、パーソナリティの中村さんの話す文章は日本語としてとてもきれいで、知的なトークになっていることがわかった。番組で推している昭和とライブエンタメに加えて、世間話のようなことも、楽しく知的に提供されていると思う。昭和をキーワードにしているが、時代は現代全般・話題は多方面をカバーしていて、ラジオを通して広めの世代を掻き混ぜてくれているような気がする。
 「CONNCT」の他の曜日では日常を結構喋ってるような気がする。それが金曜日になると、かっこいいお姉さんが東京からやってきてアングラのディープな話してる、非日常的な所へ連れてってくれると感じる。
 自身が活躍する芸術関係の話題の多くがリスナーからのお便りに応じて展開されていて、人気のほどが伺える。おそらく多くのリスナーにとって、ライブイベントや舞台演劇は、なかなか出かけていけない遠い存在なので、それに詳しいリスナーとパーソナリティとの対話を聞くことは、非日常的な雰囲気を味わえる楽しみになっていると感じた。
 金曜日の夕方に番組を聴くと、週末へ向けて、ちょっと気分が高揚するような効果があると思う。

委員

 帯の番組が金曜日だけ特別趣を変えているとのことで、興味深く聞いた。私も二つ感想を持った。
 一つは委員の皆さんも大変高評価しているが、中村さんの話し方・トークは流暢で耳ざわりも良く、大変聞きやすい。情報番組というくくりの中ですごく聞きやすかった。一方で、自分の考えてることをきちんと言っている。聴いてる方に伝わってくることに本当に好感が持てた。
 中村さんの知識の幅や人間的な魅力がものすごく感じられた。中村さんの魅力を全開にした番組というのを聞いてみたい、あるいはそういう風に使わないと中村さんの良さが出てこないんじゃないのかなというのがもう一つの感想。

委員

 肩の力を抜いて聞き流しながら、各所に「へーそうなんだ」が散りばめられているとの印象を受けた。素直に好感が持てる番組。退勤・下校から夕食までの時間帯と深夜に放送されるエンターテイメント番組はラジオ局の実力を反映すると思う。各曜日のパーソナリティの個性の競演で「CONNECT」には重層的な魅力を築いていってほしい。
 パーソナリティのトークとリスナーからのメール・お便り、そして音楽という構成はエンタメ番組の典型。だからこそパーソナリティの個性を軸とした番組の実力が問われると思う。中村ナツ子さんは期待に充分応えるパーソナリティ。「SWEET LOVE SONG」で梅沢富美男の「夢芝居」がかかった時点で直感的にそう感じた。
 資料に「昭和とサブカルを主な柱に構成」とあり、番組中にも中村さんが「テレビは流行モノ、ネットは自分の趣味に合うものばかりの中、この番組では昭和を垂れ流していきたい」と言っていたが、この姿勢はひとえに彼女の個性によるものだろう。
 中村さんは舞台女優業を中心にマルチな活動をしているようで、その活動の広さと深い知識は番組の随所に発揮され、それは「へーそうなんだ」というリスナーの興味を掻き立てるだろう。
 それらを勘案すると、中村さんの人間的魅力を掘り起こすことが番組の魅力につながると思われ、さらには各曜日のパーソナリティが個性を磨きあうことによって「CONNECT」の魅力が築かれていくと感じた。

2023年04月30日

バックナンバー