令和3年度9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

番組審議会議事録概要

令和3年度9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
令和3年9月24日(金)
AM10:34~AM11:32
開催場所
茨城放送本社3階会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 [ * ]
  • 小 西 俊 一 [ ・ ]
  • 池 田 敦 彦
  • 鎌 田 賢
  • 菊 池 康 弘
  • 柴 田 敦

茨城放送出席者

  • 取締役会長

    北 島 重 司

  • 代表取締役社長

    阿 部 重 典

  • 編成事業部リーダー

    鴨 川 貴 史

  • 報道広報事業部サブリーダー

    畑 中 一 也

  • 番組審議会事務局

    宮 田 浩 二

議題
「 『茨城県知事選挙開票LIVE』~どうなる?大井川県政 」
令和3年9月5日(日)20:00~21:00放送

委員からの意見

委員

 まず選挙速報として、きちんとした情報と数字を出す、速報をしっかり伝えるということを最初にしていた。
 選挙事務所前からの中継の声は、ラジオとして出来る限りのライブ感をもって伝わっていた。万歳の後のインタビュー、知事の声がよく拾えていた。
どのような工夫があったのか興味を持った。ライブ感という点では、コロナ禍のため、当選祝勝会が少人数という印象を持った。万歳は声無しと言われていたようだが、そのようなことも含めライブ感ある冒頭の中継だった。その後は、阿部キャスターと小口さんの解説で深掘りされた内容だった。
 選挙期間中に、各候補や取材した県民の声など色々と録音していたが、いろんな観点からの話があったと思った。県内の政党幹部も前向きな歯切れの良いコメントをしていて、投票率が意外と高かったというところから県政に対する県民の姿勢を勇気づけるような形でまとまっていたと感じた。
 誤解されやすいとか批判されやすいという大井川知事を小口さんが解説していた。その解説を受け最後の共同インタビューで、立川記者からの報告があり、番組が着地したような感じを持った。
 信任投票という話もあるが本当に信任されたのかどうか、またはどの点にあったかなど、データに基づいたフォローも茨城放送には期待したい。
 スタジオでもリアルに見えることができるようZOOMを使っていたが、その効果のせいか、スピード感がある中継になっていたと思う。また共同インタビューの始まりについては、いつから始めるという段取りがされていたかどうか疑問に思った。

委員

 今回の知事選挙は、大方の予想通り現職の大井川知事が当選した。放送の中でも触れていたが、明確な対立軸もなく、対向陣営側も準備が不十分だったからか、前回が白熱しただけに余計にそう感じるのかも知れないが、選挙としては盛り上がりに欠けたように感じた。
 今回の特番では、開始直後に大井川知事の当選確実を放送した後、大井川事務所からのリポートと小口さんの解説を織り交ぜながら進行していた。誰が当選するのかといった選挙特有の緊張感はないものの、これまでの大井川県政の評価や今後の県政の課題などを分かりやすく解説していて、選挙結果を知った上で聞いても、十分に聴き応えのある番組だった。今後の選挙特番にも期待したい。

委員

 県知事選の開票速報番組は、選挙事務所からの中継や政党幹部の電話インタビューを交えた構成だった。開票結果はテレビやネットでも知ることができるが、ラジオは仕事をしたり運転をしたりしている人にとって、臨場感がある大変貴重な情報源である。
 阿部さんのスムーズな進行と小口さんの的確なコメントに導かれ、最後まで興味深く聞くことができた。
 一方、当選した大井川氏の事務所からの中継は、現地の記者レポートがうまくかみ合わなかった印象。コロナ対策のため距離を取らなければならないといった事情があったかもしれないが、インタビューの際、質問者の声が放送に乗っていない部分もあり、リスナーには不親切だった。
 記者がコロナ禍で通常とは違う選挙事務所の風景をもっと描写したり、候補者が街頭演説を控えるなどした異例の選挙戦について、深掘りしてリポートしても良かったのでは。
 報道番組としては、まず冒頭で立候補者二人の紹介と大井川氏が当選確実となった事実を、きちんと伝えるべきだった。
 また、番組を聞いてこれがあったら良かったと思うが2点。1点目は再選した大井川氏のプロフィールの紹介。出身地や知事に当選するまでの経歴、趣味や特技などの項目に触れていれば、リスナーが知事の具体的イメージを描くことができて、県政への関心を高めるきっかけにもなると思う。
 2点目は、県民へのインタビュー。知事選で有権者がどんな思いを抱いて投票し、どんなことを期待しているのかなど県民の考えを聞きたかった。SNSやメールの活用も可能だったのではないか。有権者の生の声を伝えることは、報道の大切な役割の一つだと思う。

委員

 皆様の感想と少し違うトーンで、かなり辛口の感想を持ちました。
 一つは、リアルな当選者の声、生中継であるが故のもたつき、3分経過してからの万歳、インタビューまで少し時間が空くなど、進行も大変だったと思うが私はむしろリアルでいいと感じた。このような番組を作ろうとチャレンジすることはいいと思う。
 一番違和感があったのは小口さんのコメント。言論の自由はあっていいが、選挙の特番において一人のコメンテーターが少しバランスを欠く、あるいは事実誤認もあり得るのではないかというようなコメントをして、それをそのまま放送することについては、少し考えた方がいいのではないか。
 地方選挙について、原発それから沖縄県知事選の米軍基地問題も引き合いに出して、これらは国政で決めてること。どれも県政を超えてるテーマ。県政が関わっていないわけではないが、それを知事にしつこく突きつけても、しょうがないという趣旨のコメント。これは、選挙が民主主義の原点であるとするならば、かなり逸脱した発言だと思う。地方行政や地方選挙をどのように捉えてこのような発言をしたのか、むしろ真意を問いたいぐらい違和感を持った。原発も米軍基地の問題も、地元自治体の意思は当然問われるべきだし、そのような議論になってると思うし、制度もある。このように事実と違うことを明らかにおかしい認識をそのまま放送してしまう、これはミスキャストだったのではないかと思った。
 番組構成としては、選挙を生で取材した記者が解説した方が良かったのではないか。解説は正直浅かったと感じた。なぜ負けた、なぜ勝ったという点はかなり上っ面の部分をなでた程度のものに感じた。大井川さんが勝ったのは、簡単にいえば前回の橋本さんとの大激戦を経て、四年間で一応安定県政を運転した一方で、対抗馬が出ず組織票が上積みできたのがテクニカルには一番大きいと思う。連合を含めてほとんど票を取った。これに対抗する今回の田中さんに関しては、出馬宣言が遅かったのが最大の弱点だと分析をしていたが、必ずしもそれだけではない、もう少し違う要因があると思う。政策において、例えば裏付けがないとか、説得性を欠いたという点はあると思うし、そのような点にも言及があってしかるべきではないか。リスナーとして考えると不満を持った。
 最後に、今回の選挙を振り返ると大井川さんの圧勝大勝であることには間違いないが、田中さんについての言及なり分析なりが極端に少なかった。投票者の20%が田中さんに投票している理由、そのような言及が少なかったと感じた。
 事情に精通している記者をうまく活用する、あるいは複数のコメンテーターによってある程度意見を戦わせる前提で番組を構成するなど、もう少し多様性ということにも目を向けた方が、リスナーは受け入れやすいのでは。

委員

 県知事選挙の当選情報の速報。阿部社長の進行でコメンテーターの小口さんの解説を加え、大井川事務所と田中事務所からの中継、選挙情報を正確に伝えようとする企画だった。いつもの茨城放送の選挙報道と違い、オンラインを使いスタジオが主導権を握って進めていた。スムーズな進行で、聞きやすい企画だった。
 番組内容については、個人的にいつも思う違和感が二つある。ひとつは開票してないのに出口調査だけで当選というのを聞くたびに違っていたらどうするのかという点。もう一つは、万歳三唱。私は万歳三唱というのは戦争と絡めて好きではない。今回はコロナのこともあり、声を出さず静かにしていたのが良かった。
 インタビューでは大井川さんにとって、自信に満ちて大井川節ですらすらと答えていたが、ただ第二原発だけは何かしどろもどろというか、最後にしつこいとか言い出した。こういう質問は一番大事な質問だと思う。
 権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗するっていうこともあるように、マスコミはラジオ・テレビ・新聞、御用新聞や御用マスコミになってはいけない。権力を批判する。これはベースとしてなければいけないと思う。迅速正確公平でなければならないが、権力を監視するという任務がやはりマスコミにはあると思う。権力に迎合するような姿勢になっては危ない。
 コメンテーターの小口さんは大変なれていて、非常に知識が深く選挙戦の状況や投票率など、深堀して聞き手の理解を助けていて良い面がたくさんあった。しかし、県政を超えている問題に囚われすぎなどのコメントなどはとんでもない発言だと思った。
 このような発言をコメンテーターがした時にどう受け取るか、明らかにおかしい事を言った時に、どう対処するのか、それは「はい、分かりました」で、後はリスナーの方に判断してもらうというのが妥当ではないかと私は思うが、今回の番組で大事な問題を投げかけてくれたと感じた。

2021年10月31日

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