令和5年9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

番組審議会議事録概要

令和5年9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
令和5年9月29日(金)
AM10:31~AM11:15
開催場所
茨城放送本社3階会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 [ * ]
  • 小 西 俊 一 [ ・ ]
  • 樫 本 淳
  • 鎌 田 賢
  • 菊 池 康 弘
  • 斎 藤 敦
  • 鷲 田 美 加

茨城放送出席者

  • 取締役会長

    北 島 重 司

  • 代表取締役社長

    阿 部 重 典

  • 編成事業部リーダー

    鴨 川 貴 史

  • 番組審議会事務局

    宮 田 浩 二

議題
「 水戸芸術館 presents みんなのクラッシック 」
 毎週日曜日 7:30~8:00 放送

委員からの意見

委員

 日曜日の早朝に初心者に分かりやすく解説付きのクラシック音楽をリスナーに提供するという、ゆったりとのんびり聞けるそういう魅力の音楽を楽しめる企画だった。パーソナリティの石井さん、芸術館の高巣さんどちらも気品のある語りだった。
 毎月のテーマを決め今月は「フランス音楽はお好き」という特集。フランスゆかりのパイプオルガンの名曲ということで、パイプオルガンについては、私は芸術館のパイプオルガンは眺めてるだけで、音を聞いた覚えがなかったが今回初めて聞いた。厳かな音で大変いい経験ができた。この番組でパイプオルガンを紹介するのは初めてと語っていたが、機会があれば時々取り上げてほしい。
 「みんなのクラシック」はいろいろな知識も入るし、快いメロディーでリラックスできるし、なかなかいい朝を迎えられると思い感心した。この番組が長寿番組になってくれることを期待したい。

委員

 日曜朝の休日の目覚まし番組として非常に心地いい番組だなと思いながら聞いた。クラシックの番組はおそらくスタイルとしては最初に「いつ、○○交響楽団が演奏したシューベルトの○○です」といった解説があり、曲がえんえんと流れるイメージ。
 この番組では解説があり、これが素人にとって非常にありがたい。しかもこの回はフランスのパイプオルガンに特化した2曲が選ばれていた。私たち素人にとって、特にパイプオルガンは教会にあって讃美歌のバックに流れてる、そういうイメージしか持っていなかった。2曲目の前の「オルガンの力強く壮麗な響きによって始まるフィナーレ」という解説があったが、オルガンがこんなに力強く前面に出る曲があるというのを聞けて、そのような発見にもつながった。
 そういう意味で曲ももちろん聞きたいが、こういった解説が挟まれると非常に全体のバランス、時間的なバランスも良く、クラシックを全部かけると相当長いものが多いと思うけれども、第何楽章ということに限定していて、全部聞きたい人もいるとは思うが、短いバージョンで流してるという部分も非常に私たちにとっては聞きやすかった。

委員

 今回の「みんなのクラシック」という番組、他の委員からも発言あったが、日曜日の朝にクラシックの放送をする。爽やかな朝を迎えるといった狙いもあるのかと思いつつ聞いた。
 ただクラシックの曲を流すということだとあまり面白みがない。今回聞いた番組はまず月ごとのテーマがあり、パイプオルガンという楽器を深掘りしたように、楽器や作曲家あるいは違うテーマをフォーカスしていて、メリハリがあった。
 とはいえやはり聞き手を選ぶ番組だとは思う。1度聞いただけでは馴染みがないと分からないだろう。2度目くらいで「あ、なるほど」こんなところに注目して聞くと、こんな感じで聞ける。少し理解が深まるというか、それで「へー」っていう感じになるけれども、なかなかクラシックに普段なじみがない人が1回聞いてこの番組を聞いて、何か理解を深めるというのはなかなか難しい。そういう意味で言うと敷居が高いのではないか。
 リスナーの層を広げるという点で言えば、その目線まで降りてくると言うか、もう少しその解説を分かりやすいもの、今回の芸術館にあるパイプオルガンは日本人が作った中で国内最大級という説明に対し、国内最大級メートル単位で言われてイメージがつくだろうか。パイプオルガンは他の楽器と違い大きさもまちまちで、形もものによって違ったりというところもある。またどんな音の違いが出てくるのか、国内最大級とは他と比べてどのくらい大きいとか、そのような説明があると素人にも分かりやすいにではないか。そのようなところを1つや2つ触れると、もう少し間口が広い番組になっていくのではないか。
 ただ番組のコンセプト自体は素晴らしい。引き続き楽しみにしていきたい。

委員

 番組自体は非常におそらく分かりやすい曲を選んでいると思うのですごく心地よく聞けた。クラシック入門編の番組としてはいい企画だった。
 ただ、クラシックに縁遠い、本当に年に数回しかクラシック聞かない人にとって、おそらく次の週この番組に合わすのかと言うと、そこはそうならないような気もする。
 番組を長く続けていくという観点で、どういう人を対象にしたらいいのかと考えたけれども、他の委員から間口を広げるという発言があったが、逆に水戸芸術館のファン向けに特化した番組作り、あるいは本当にクラシックのコアなファン向けにディープな深い蘊蓄を語るとか、そういう番組でもこれ自体が初めての試みだということもあり、そういうのも面白いのではないか。コアなリスナーに参加してもらい番組を作る、そういうこともラジオならではの部分もあると思う。そういう意味でも面白い番組になるのではと感じた

委員

 水戸芸術館の学芸員がクラシック音楽を紹介する番組を知らなかった。FMステレオ放送のサービス範囲が広がったので、高音質な音楽とともに水戸芸術館の存在感を広く届ける番組と理解した。
 石井さんの声だけでなく、高巣さんの声とお話も気品に溢れていて、番組全体の雰囲気を高めている。
 フランス音楽をフィーチャーした9月の番組として、パイプオルガンの演奏、パイプオルガンつきオーケストラの演奏が紹介された。パイプオルガンの歴史の解説や曲の紹介は、無駄も隙もなく綿密に語られていた。
 上級・中級リスナー向けだろうか。私も含めた初級リスナーは一聴しただけではあまりよく理解できないものの、なんとなく素敵だという印象を受けた。その意味ではユニバーサルな番組になっていると思う。

委員

 流れる音楽、パーソナリティの落ち着いた声量は日曜朝の静かな雰囲気にマッチしていた。普段はクラシック音楽とは縁遠いけれども「今度、早起きして聞いてみようか」という気持ちになった。学芸員の方の説明もわかりやすく、ひょっとしたら番組制作者の狙いは「クラシック好きの人」というより、「クラシックに興味がなかった人に関心を持ってもらう」ことでは?とも思わされた。
 今回はパイプオルガンだったが、毎回いろんな楽器についての蘊蓄が語られていると思う。私はパイプオルガンについて全く知識はなかったが「ヨーロッパでキリスト教と深く結びついて地位を確立した楽器」というお得感のある解説が印象的だった。教会に必ずパイプオルガンがあるのはそういう経緯だったのかと納得した。
 月別テーマの「フランス音楽はお好き?」も、シンプルかつわかりやすくていいと思った。

委員

 番組では特に良かった点を3つ挙げたい。
 第一に流れる曲の音質が良く、ストレスフリーで聴けた。曲調が変わるシーンなど、感動的で、クラシック音楽の良さがより深く伝わった。
 二番目にバランスが良かった。クラシック音楽についての専門的な知識を学びつつも、頭でっかちになることなく、純粋に曲を鑑賞するゆとりがあった。ゲストの方は曲に関して豊富な知識を持ちつつも、初心者にも分かりやすいよう内容を絞り込んで解説していたのだろう。そのバランスが良く、初心者でもクラシック音楽の魅力を感じられたと思う。学芸員にもそれぞれ専門分野があると思う。バランスを崩さない程度にゲストの人となりや専門性についても聴いてみたい。
 最後に、パーソナリティの石井さんの語りも、ゲストの高巣真樹さんの解説もフォーマルで、クラシックな雰囲気を醸し出していて、番組全体に統一感があった。私は普段からBGMとしてクラシック音楽を聴いているが、コンサートホールで演奏を聴いている時のように音楽に集中して、音のつながりを純粋に楽しみ、普段なかなかできない集中音楽体験ができた。
 番組内の水戸芸術館のCMは番組本編との区別がつきにくかった。ジングルを挟むなど、注目してもらえるメリハリがついた演出があっても良い。しかし、「音楽、演劇、美術を身近なものに」というメッセージはしっかりと伝わっていたと思う。

2023年10月31日

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