令和4年12月度 茨城放送番組審議会議事録概要

番組審議会議事録概要

令和4年12月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
令和4年12月22日(木)
AM11:00~AM12:05
開催場所
茨城放送本社3階会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 [ * ]
  • 小 西 俊 一 [ ・ ]
  • 池 田 敦 彦
  • 鎌 田 賢
  • 菊 池 康 弘
  • 鷲 田 美 加
  • 渡 辺 勝

茨城放送出席者

  • 代表取締役社長

    阿 部 重 典

  • 編成事業部リーダー

    鴨 川 貴 史

  • 審議会事務局

    宮 田 浩 二

議題
2022年を振り返って
 ・審議会の議題について
 ・その他茨城放送で放送された番組について

委員からの意見

委員

 番組のラインナップがすごく多岐にわたり、リスナーの多様性にも対応先取りするような形で、様々な番組が作られていた。特に茨城ならではの番組のほかに、一部の人にしかわからないような世界をあえて放送するようなマニアックな番組が台頭してきていると感じた。今年の番組で言えば、例えば2月の「二大花火競技大会」、3月の「震災11年茨城から 災害列島で 茨城を止めるな スペシャル」。7月の「週刊ニュースポ!参院選開票スペシャル」などは、県域の茨城放送ならではだと思う。これまでも今後も茨城放送ならではの番組として続けてほしい。
 良い意味でマニアックな番組として、4月の「J・K HIP-HOP」、9月の「ミッドナイト・クレイジー・ラジオ」、10月の「ケーズデンキ presents ロボッツロッカールーム」などは、マニアが聞いても楽しめる形を追求しながら、初めてのリスナーにもきちんと扉を開いている。例えば、ロボッツロッカールームは試合の細かい事が分からなくても、選手一人一人に焦点を当てて、その人となりを知って楽しんでもらえるようなバランスの取れた番組作りをしていた。
 個人的に一番印象に残ってるのが5月の「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」。とにかく超ハイテンションで、楽しくて笑えて元気をもらえた。私たちが住んでいる茨城の魅力を知るということが、茨城がこれからますます輝いて行く時にすごく大切なこと。それをこんな風に元気な形で伝えてくれるのは素晴らしいと思った。

委員

 本当にバラエティに富んだ番組作りをしていると改めて感心した。地元紙と地元ラジオ局という同様の性格を帯びている立場、あるいは地元に対する役割とか使命という観点からすると、6月の「IBA Lucky MUSIC」、7月の「週刊ニュースポ 参院選開票スペシャル2022」、10月の「ケーズデンキpresentsロボッツロッカールーム」、11月の「週刊ニュースポ!夏企画 古谷経衡が伝える戦後77年」が特に印象に残った。
 「IBA Lucky MUSIC」の番組趣旨、地元ミュージシャンを応援し、さらなる飛躍へとつながるきっかけになることを目指す、リスナーとミュージシャンとの新たな出会いの創出といった趣旨には大いに賛成。地元ミュージシャンの発掘と育成というのは、茨城放送の重要な役割のひとつだと思う。パーソナリティが1月毎に変わり、その後は親交のあるミュージシャンやアーティストをゲストに迎えるという企画もリスナーにとっては、数多くの地元ミュージシャンと出会う機会だと思う。とても優れた企画だと思った。
 「ケーズデンキpresentsロボッツロッカールーム」は地元のプロスポーツチームを地元マスコミが盛り上げていくことは使命のひとつだと思う。是非とも長寿番組に育ててほしい。選手をゲストに呼んで試合を振り返る「ムッチーズ・アイ」やリスナーの質問やメッセージを紹介する「ピックアンドロール・クエスチョン」も選手とファンの距離を縮める企画だと感じた。今後も様々な企画でファンの拡大に貢献してほしい。
 「週刊ニュースポ!夏企画~古谷経衡が伝える戦後77年~」はインタビューと解説を組み合わせた構成の妙を感じた。生々しい戦争体験を古谷さんが軍事的あるいは歴史的に冷静に解説し、戦況が意味するものを理解しやすい構成になっていた。音で訴求するラジオの果たす役割が、戦争体験者が少なくなることに反比例して今後ますます大きくなっていく中、体験者の放送の機会を複数確保することはメディアの役割と考え、放送したという考えには全く同感。その姿勢を今後も維持してほしい。
 参院選開票スペシャルはインタビューが自民党関係者に偏っていたことなどが反省材料になったと記憶している。基本的には開票の進行状況と番組の時間設定の問題だと思うが、選挙報道というのは速報を重視するかあるいは解説に力を入れるかで番組の性格が根本的に異なってくると思う。その辺から練り直した方がいいと感じた。

委員

 一言で言うと優劣多彩な番組だったという印象。非常に優れた聞かせる番組といい意味で斬新という感じ。大変高い評価だったのは2月、3月、4月、7月、10月、11月の6本。少し大雑把すぎるということで批判も出たのが5月、6月、9月。
 特に高い評価だった11月の「週刊ニュースポ!夏企画~古谷経衡が伝える戦後77年~」。単なるインタビューと違い、時系列にまとめながら上手にインタビューしていたし、構成が大変優れていた。全国に提出して評価してもらう価値がある内容だったと思った。
 特にこれは検討してもらいたかったのは6月の「IBA Lucky MUSIC」で、パーソナリティの須藤涼子さんは始終笑いの絶えないスタジオを目指しているのかもしれないが、意味のない笑いでリスナーをそっちのけにする。リスナーをきちんと意識しないといけないのについ盛り上がってしまって、ただ笑ってるだけで非常にやかましいという感じの番組になっていた。こういうことに気をつけてもらいたい。5月の「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」。やっぱり斬新はいいんだけども、斬新すぎていた。9月の「ミッドナイト・クレイジー・ラジオ」も明るくて笑っていいけれども、これも工夫が必要。もう少しリスナーに配慮すればもっと良くなると思う。もう少し努力してほしい。
 今年取り上げた9本は全部の夕方以降番組だった。午前と昼間は全く入っていなかった。夜の方に偏ってるのは多分新しいものやいろいろな面で審議して検討する価値のある番組を選んだと思う。番組審議会の中で何度か取り上げているけれども、来年は1本ぐらいベテランの朝や、昼間の結構評判が良い番組など、どうして評判がいいのかいろんな人に良い影響を与えるというようなことで取り上げても良いと思う。

委員

 まず11月の「週刊ニュースポ!夏企画~古谷経衡が伝える戦後77年~」。戦災の記憶を臨場感のある記録として残して、アーカイブの価値があるようなものに仕上げたこと、それを聴いた後まだまだ知って考えなければならないことがあるという課題感を残してくれた番組だった。3月の震災番組もそうだが、毎月防災意識をアップデートするような呼びかけがされてるということを忘れがちなリスナーの一人として、ありがたいと思う。
 音楽番組がとても楽しい。「J・K HIP-HOP」、「IBA Lucky MUSIC」、「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」など、こんなのあるんだ、面白い、楽しい、見てみようかということが起きる、そして新たな楽曲に出会う機会が提供されていると思う。音楽にかかわらず通りすがりに得た情報からインスピレーションが沸いてということはあると思う。新聞や書店などで情報の一覧性、総合的な提供がされているようなことを聞くけれども、それに似た役割を達成していると感じた。
 審議の対象ではないけれども、今年はラキフェスと関連番組、それから「ラジオ番組表」秋号の表紙を飾った菊地アナウンス室長など、いいことがあったと思った。

委員

 固い番組から柔らかい番組までいろんな番組を取り上げて、それぞれ良い面・悪い面もあったけれども、審議のしがいがあるような番組が揃っていた。
 2月の花火。土浦の花火大会を茨城放送は何年にもわたって放送してきて、審議会でも何回か取り上げている。回を追うごとに中継が上手くなっているのを今回の放送でも感じられた。前回からYou Tubeでその映像を確認できるなど新しい試みも増えてきている。今後も続けてもらえると楽しめると思う。
 3月の震災の番組。年数が経っていくと同じような話になりがちなところを毎年いろんな角度から震災に関わることを放送してきた。今回は防災の話。避難をテーマに番組制作したことはすごく評価できる。
 「J・K HIP-HOP」、「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」が硬軟で言えば、「軟」に分類される番組。「J・K HIP-HOP」は音楽番組とすれば比較的硬派な番組。好きな人は毎週聞くような感じの番組だと思う。「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」は好き嫌いがはっきり分かれそうな番組で、好きな人だけついてくればいいような番組かと思うし、ラジオの特性上そのような番組がやはり週にいくつかあってほしいと思う。夜の時間帯にオープンの場で聴くものではなく、一人で部屋に閉じこもって、あるいは車の中で一人でコソコソ笑ってるとかそういう感じのイメージの番組もやはりあっていいと思ったのが、「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」であり、9月の「ミッドナイト・クレイジー・ラジオ」。笑いながら聞いてることですごく楽しみ得る番組だと思った。そういう挑戦みたいなことは今後もあっていいと思う。
 「IBA Lucky MUSIC」は違う意味で挑戦的で、毎月パーソナリティが変わる番組だと思うが、そもそもパーソナリティが変わってそれを継続していくのは結構難しいところもあると思う。工夫して続けていけばいいのではと思う。
 「ケーズデンキ presents ロボッツロッカールーム」はロボッツのファン向けに作られてる番組かと思うので、好きな人が聞く番組だと思う。ただあまり詳しくない人にとっても親しみが持てるような構成になっていたし、試合の裏側のようなことをロッカールームでどんな話をしていたかなど掘り下げて聴けるというところもあった。スポーツ好きにとってはすごく良い番組だと思った。
 人材の発掘や育成をずっと継続的にしているところがなかなかすごいと思う。こういう人をよく見つけてきたというのもあるし、全国的にも有名な人をよく連れてこれた、あるいは地元に埋もれててあまり知られてないけれども話をさせたら面白いみたいな人がたくさんいた。そのようなところも来年以降の楽しみにしていきたい。

委員

 改めて資料を見て印象に残ってるのは、「不易」と「流行」で言えば「不易」の部分。報道としての役割。震災11年や参院選など非常に大切にしていると感じた。また「古谷経衡が伝える戦後77年」も、報道として大切なこと、おそらく未来にわたって不変である役割・使命みたいなことをしっかりと見つめた番組作りをしているということが印象に残った。いろんな工夫を重ねつつ、ぜひ地域に密着した、地域に不可欠なラジオ局として続けて行ってほしい。
 その不易の部分と対極的な「KEN EBISAWAのFuuuラジオ」や「ミッドナイト・クレイジー・ラジオ」など非常にチャレンジングで、新しい分野を開拓しようという姿勢も随所で感じた。今、メディアが多様化していく中、どんな風にリスナーを引きつけ、サステナブルな形で茨城放送が存在し続けるのかということに向き合っていると思う。それに伴うトライアルだと思い聴いてきた。トライとエラーを繰り返す形しかないだろうし、手堅く石橋を叩いていてもリスナーの裾野は広がらないと思う。世代もどんどん変わっていく、時代もどんどん変わっていく中、新たなチャレンジを続けてほしい。

委員

 今年、番組審議会で取り上げられた番組は、災害、選挙、戦争をテーマにした報道系の番組が3本、音楽、スポーツなどエンターテインメント系の番組が6本だった。
 様々なジャンルの番組がテーマとなっていたが、講評にあたっては、「茨城」という名称を冠し、県内唯一の民間県域放送局という立ち位置の中、県内リスナーはもちろんのこと、首都圏リスナーにも興味を持ってもらうための番組作りとなっているか、また、「ニッチトップ」という他局との差別化を図る試みは狙い通りとなっているか、さらには、報道機関としての使命は果たされているのか、といった観点を持って聴いていた。
 今年聴いた番組で、特に興味深かったのは2月「特別番組 二大花火競技大会『土浦』『大曲』夢の競演」。実況中継では、花火の色、形、大きさなど細かい描写を伝えることで、音声のみでも臨場感のあるものとなり、多くの方々が楽しめる内容であったことに加え、インターネット同時配信という今後のクロスメディアの方向性も期待させるものだと感じた。
 報道機関として存在意義を示した番組として、3月「震災11年 茨城から 災害列島で、茨城を止めるな!スペシャル」と11月「週刊ニュースポ!夏企画~古谷経衡が伝える戦後77年~」だった。
 ニュースや選挙報道は、報道機関として当然伝えるべきものだが、例えばロシアのウクライナ侵攻により、戦争というものが身近に感じられる中で放送された「週刊ニュースポ!夏企画~古谷経衡が伝える戦後77年~」のように戦争体験者の生の声を今に生きる人々へ伝えていくということは、単なる周年番組以上に意味を持った番組だった。
 茨城放送では「茨城ロボッツ」や「Lucky Fes」というコンテンツを得て、地域を盛り上げていくという新たな使命も加わっていくことになると思う。今まで以上にリスナー目線を大切にした番組制作に期待したい。

2023年01月31日

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