令和2年6月度 茨城放送番組審議会議事録概要

番組審議会議事録概要

令和2年6月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
令和2年6月25日(木)
AM10:40~PM11:40
開催場所
茨城放送本社5階会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 [*]
  • 小 西 俊 一 [・]
  • 鎌 田  賢
  • 川 股 圭 之
  • 柴 田  敦
  • 蛭 牟 田 繁
  • 鷲 田 美 加

茨城放送出席者

  • 代表取締役社長

    阿 部 重 典

  • 編成チームリーダー

    宮 田 浩 二

  • 報道チームリーダー

    畑 中 一 也

議題
「 『ニュースなニューズ“地域の活力応援し隊”スペシャル』
         ~茨城発・私たちはコロナに負けない~ 」
  令和2年6月14日(日)12:00~12:30放送

委員からの意見

委員

今回の先が見えないこの不安に対して逆境に立ち向かう人たちの紹介をするという企画で、リスナーにとって元気と勇気を提供している時宜にあった番組だった。IBSの報道チームで構成する「地域の活力応援し隊」が、朝日新聞に掲載された記事の現場に訪問する、いわば深掘り取材みたいな感じ。その結果いきなり取材に行くのと違い、前もって新聞で取材された答えが非常に無駄がない。リスナーとしては大変聴きやすい。
塙さんは抜群に説得力ある、印象に残る人だった。多分新聞、特に文字では伝わらない、声でなければ伝わらない、そういう人柄というか魅力だった。これはラジオの魅力。2つのマスコミがコラボして効果が出た。
困った人が困った人を助けるということ。実際に困った人だから分かることはあるけれども、よくその発想をした。うどん屋さん大変なのに困った人に提供しようという松岡さんの人柄というか生き方に大変感動した。それから、木内酒造の福島さんのビールをジンに変えるという発想が素晴らしい。
最後に、取材の元である朝日新聞の小林次長への取材したのが良かった。小林さんの一言一言になるほどと思った。
一点、3つ目の木内酒造の福島さんの話が意外と聴いてて一番分かりにくかった。もう少しナレ―ションなどで補足できなかったのか。あれだけの内容を説明するには、時間が足りないのかなと思った。

委員

朝日新聞で扱われた県版の記事の内容を県域の放送にする取り組みそのものがおそらく茨城放送以外できない、このような切口は他にないと思いながら聴いた。
一般のリスナーとして見ると、毎日毎日コロナの話聞くだけで、ちょっとうんざりと思っている時期に合わせ、3か所の取材先のようにできることをやっていこうと姿勢をみせてもらったり、テイクアウトに切り替えて子供たちも喜ぶし、やってるスタッフも喜ぶといった内容にしみじみ実感した。
特に子供食堂の塙さん、キャラが立つし、声にも張りがある。実感として語ってくれてるのがそのまま伝わってきて、通して聴いてみても、塙さんの意見みたいなものが全体を引っ張ってくれ、聞き終わった後にみんな頑張っているんだなと、自分もがんばらなければと感じた。
この番組を聴いて、朝日新聞の次長さんのお話。視点を聴けたのは、新鮮味を感じられた。
最後に木内酒造の話、私は事業そのものを前から聴いてわかっていたが、この音源だけを聴いただけでは分かりにくかったのでは。新聞を観ていれば、聞こえ方が随分変わったと思う。結構木内酒造の取り組みが難しいというか、前提が分かっていれば、苦労みたいなものがもう少し伝えられたのかなと感じた。

委員

全く新しい番組という全体を通しての感想。良かったと思う点が3つあった。一つ目は数か月間のコロナの振り返りがラジオの放送からも理解できた。二つ目に、新聞づくりとラジオ番組制作の双方の違いとか双方の生の現場を教えてもらった。三つ目は今後のコロナの関わりについて、考える機会になった。一つ目のコロナの振り返りは全体像を全然見る間もなく、今日まで過ごしてきたところを、この番組を通して改めて感じられた。
二つ目の新聞づくりとラジオづくりの話、今回、水越さんが朝日新聞に掲載された各地の生の現場を取材したことで、取材の全体像がすごく浮き彫りになり、客観的にみられて現場とはこんな感じなのか、初めて知った。朝日新聞を逆取材しているのは、本当におもしろかった。                
特に塙さんのコメントひとつひとつが響いた。ごはんはひとりで食べるよりみんなで食べる方がいいとか、たらいうどんの松岡さんも普段自分が出している普段と同じものを出しました。木内酒造の自分の得意なところを賞味期限のあるビールをどうするか、自分が出来るところを今考えてみましたなど、皆さん自分がやれること、自分の強みを再確認したのだなと感じた。
その中で人のやさしさに触れたり、感謝の様子がすごく伝わってきて良かった。朝日新聞、茨城放送、双方が戦うのではなく、共存して一緒に地域メディアをより存在際立たせていくという意気込みをすごく感じた。この番組からも双方の良さというのがすごく伝わり、ラジオはやはり声だ、生の声だとすごく感じた。逆に新聞は一覧性。やはり素晴らしいところ。そこはすごい新聞の強みだと改めて教わった。
三つ目の今後のコロナとの関わりについて、タイトルは「私たちはコロナに負けない」というタイトルだが、結論としてはコロナと戦うのではなく、ともに生きていく、コロナもまた自分の生活の中にずっと存在していくと思う。その中で戦うのではなく、人と人とが仲良くして、一緒に生き抜いて行こう、そのようなことを気づかされた。その意味で全く新しい番組として聴いた。是非このような趣旨の企画の続編を楽しみにしている。

委員

今回の番組で特徴的なところが二つあると思った。ひとつは茨城県内のコロナと戦っている事業者を取り上げ、元気をもらおう、そのようなコンセプトの番組だと思う。コンセプト自体、地元に密着した番組づくりということは、これまでも茨城放送がやっていたことで、その系譜を受け継いでいると思う。もうひとつ特徴的なところは、朝日新聞とのコラボしているところ。すでに新聞に載ったところへさらにインタビューをつづけ、それを番組にしてしまったところはあまりなかったと思う。これは、新しいコンセプトでおもしろいなと思った。
木内酒造を知っていても、この試みにどのような苦労があるということはこの短い時間では伝わりきらないのかなと。ビールをジンに変える、それが消費期限を延ばす。そのあたりは聴取者に分かりづらかったか。そこだけ説明するのもバランスがおかしくなってしまうし難しいところはあるが、分かりやすさがもう少しあっても良かった。
一般の消費者の方が県内で聴いて応援しよう、元気をもらう、そういったところで地域が活性化していく、大いにあると思う。茨城放送を聴いてるリスナーは、個人事業主、中小企業主などで商売しながら流していて、それで情報もらってるニュアンスがあると思う。このような番組を聴いた時に個人事業主、こんなことを他の事業主がしているんだから頑張ろう。ではどうすればこれができるのかというところまでもう一つ踏み込んだ視点があると、有益な情報になるのではないかと思った。全く同じような業態の仕事は中々ないと思うが、似た業種がこういうことしよう、やってみようなどヒントになる部分もあったと思う。お金の話を中々ラジオで流すというのは難しいかもしれないが、こうしたことによりお金の面で言えばどういうハードルを越えた、乗り越えられたというところがあるとよかったのでは。
コロナの関係もう少し続くだろうし、企画が続いて第二弾、第三弾ということがあれば、楽しく聴けるのではないか。

委員

新型コロナウイルスとの闘いは、いまだ継続中。終息には時間がかかりそう。今後も相当の時間をかけて、未知のウイルスとの共存の道を探らなければならないだろう。日々の営みの中で人々は不自由を強いられている。感染防止へ距離を取ることが求められ、手を取って励まし合ったり、寄り添って声を掛けたりすることも難しい。
有事とも言える社会状況にあるが、日常の細かな事柄はあまり記録に残らない。そんな中、番組は丁寧なインタビューでコロナ禍に負けまいと前向きに踏ん張る人々の声を拾っている。聴取者に元気や勇気をもたらす情報を伝えた意義は大きいと思う。
コロナの荒波をかぶりながらも苦境を乗り越えようと行動した3人のインタビューの前に、それぞれの仕事や活動の背景事情について、もう少し詳しい紹介があれば、聴取者からもっと共感や理解が得られるのではないかと感じた。 
コロナをめぐって、一人一人の生活に何が起こり、何に困っているのか。人々の暮らしや働き方、意識はどのように変わったのか。第2波への備えなども視野に入れながら、今後も現場の声を集め続けてほしい。

委員

新型コロナウイルス感染拡大による規制のもと地域で奮闘する方々を紹介する朝日新聞茨城県版の記事に沿って、しっかりした構成で、かつ、ライブ感のあるインタビュー番組に仕上がっていた。新聞には社会的に広めるべき公共性の高いニュースが常に掲載されているが、その中から明るい話題を選び聴取者の参考になるよう、わかりやすく伝える特集番組の価値は高い。
「ひとり親家庭へ食を」では、飲食店の売り上げに大きな影響が出ている状況で、できることをやろうという考えから、うどん料理をプレゼントする運動を企画されて、スタッフの気持ちのケアにもつなげた事例が紹介された。困っている人が困っている人を助けようということは、私も含めて聴取者には意外なこととして響いたと思う。今後心がけたいと思った。
「こんなときこそ 子ども食堂再開」では、休業開始日に念のために弁当を作って待っていたことがきっかけでテイクアウト制での営業が始まり、その持ち帰り弁当によって子供達の生活ペースと栄養のサポートが続けられている事例が紹介された。規制がある中で、子ども食堂の趣旨を工夫で貫徹する明るいボランティアの方々には頭が下がる。
「クラフトビール 救う仁義 全国で廃棄危機ジンに再生」では、消費期限が迫ったクラフトビールを全国の飲食店から集め、蒸留してジンに変えて消費期限を延ばすビール救済の事例、消毒用にも使える高濃度エタノールの製造への取組みが紹介された。
私たちに、できることを工夫して社会全体の役に立とうという気持ちをもたせてくれる記事・番組だった。

委員

今回はメディアの特性の違いを非常に実感した。取り上げた三つの記事は、「たらいうどん」は38行、「にこにこ食堂」は50行、「木内酒造」は80行。中でも木内酒造の記事は「取り組みが面白い」と社内でも評判になり、首都圏一帯に配達される夕刊にも掲載された。
木内酒造がもっとも「読者に伝えたい」あるいは「読まれる」と判断したが、今回の番組を聴くと、その基準がまったく違うことに気づかされた。圧倒的に「にこにこ食堂」の塙直子さんの透明感あふれる話し方やその言葉のひとつひとつが素晴らしく、多くのリスナーたちが、元気づけられたり、明るく前を向くことの重要性を実感されたりしたのではないか。水越さんもすごく自然なインタビューで、「いいお話いただけました」という発言は本心からの言葉だと思う。
今回の記事では、塙さんの素晴らしさを十分に伝えることができていなかったと思う。ラジオというメディアの特性に合わせ塙さんの人柄を存分に伝えていたことは、とても素晴らしい。彼女の言葉が「このコロナ禍の中で大切なものは何か」を伝えていたと思った。

2020年07月31日

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