令和元年9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

番組審議会議事録概要

令和元年9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
令和元年9月24日(火)AM10:30~PM12:00
開催場所
茨城放送本社5階会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 [*]
  • 米 倉 達 広 [・]
  • 小 川 敏 正
  • 小 西 俊 一
  • 蛭 牟 田 繁
  • 鷲 田 美 加

茨城放送出席者

  • 代表取締役社長

    北 島 重 司

  • 取締役編成局長

    阿 部 重 典

  • 編成局次長

    宮 田 浩 二

  • 編成局報道防災センター長 番組プロデューサー

    畑 中 一 也

議題
『令和元年台風15号報道』
  令和元年9月9日(月) 4:00 ~ 9:00までに放送したニュース、気象情報、
  災害情報、ライフラインなどの生活情報を基に番組の取り組みを審議

委員からの意見

委員

気象庁が出した台風15号の「最強扱い」という情報を受け、茨城放送の担当者は前夜から態勢を整えて、放送休止時間の午前4時から立ち上げたことは英断だったと思った。これに対し台風の規模、被害、避難、注意情報、さらにラジオカーで現地の様子を伝えた、すごい取り組みだと感じた。
特に停電の情報で、当日は月曜日だったため通勤の人たちには大変役立ったのではないか。停電している市町村、避難所の開設場所を全て放送したことも被災された方々にはとても役立ったと思った。
JR、私鉄の鉄道のほか、フェリーの欠航、茨城空港の欠航も早くから大雨・暴風・落雷の情報、さらに竜巻も場所を指定して報道していたことも役立ったと思った。
避難行動について細かく説明していることも感心した。パーソナリティーの今章子さんは大変な状況と思えないほど冷静な話し方でよかった。
8時24分からのラジオカー中継で山下アナウンサーの水戸駅から周辺のレポートも臨場感があり、特にレポートしている場所をきちんと伝えていたことに感心した。
最後にもう一工夫あってもいいと思ったのは、避難情報の警戒レベル5段階についてすべて知っている人は少ないのではないか。そのレベルの差を番組内で触れてもよかったのではと感じた。

委員

防災ステーション宣言を標榜している茨城放送が有言実行であるなと、このような災害報道の時に心から感じた。現場がこれだけ混乱し動揺したりパニックになったりしてしまう状況下でプロ意識の高さを感じたし、落ち着いた言葉の中でテレビやネット以上に安心感を届けてくれるのがラジオだと改めて感じた。報道するエリアが広くなると自分が知りたい現場の情報は薄れてしまう。茨城放送が地域メディアとして圧倒的な存在感を今回も放っていると感じた。何かあったらラジオ、何かあったら茨城放送という風に感じる方がこのような災害報道をきっかけにどんどん増えていってくれたらと思った。
初期対応、次に現場の情報、そして少し落ち着いたところに生活情報、時間を追って現場からのレポートも含め、本当に丁寧な対応だった。
災害の当時者からすると声が途切れずずっと状況を伝えてくれるのがありがたい。一番の不安は情報が途切れること。今ある情報を繰り返し伝えてもらえると安心できるのではないかと感じた。
ひとつ要望として報道現場の様子がリスナーに伝わりにくいので、SNSの発信など別なかたちで見えると茨城放送がプロ意識高く動いていることがリスナーに伝わり、もっと心から頼りにされるのではと感じた。

委員

今回、放送時間を繰り上げて午前4時から行ったことは英断だと思った。こうした臨機応変の対応というのは、災害時には非常に重要だと思う。女性アナウンサーの屋内避難の重要性について繰り返し放送していたことが、非常に心に残った。屋外に逃げるだけでなく屋内の安全なところに逃げることもすべて、避難行動である。横へ逃げるだけでなく、二階など縦に逃げる屋内避難も暗い明け方の時間だったので、非常に適切な呼びかけだったと思った。
一方で今回から災害レベル警戒レベルを合わせて伝えていたが、レベル3について5段階の3番目という紹介で、避難準備情報が出ていますという表現であった。名称が避難準備・高齢者等避難開始と少し前に内閣府が変更している。つまり警戒レベル3では、高齢者等避難準備を始めてくださいというのが音源にはなかったので確認したい。レベル4の石岡市の避難勧告については、速やかに全員避難するよう呼び掛けていますと放送していたので、リスナーの方には分かりやすかったのではと思った。
8時24分からの山下アナの水戸駅南口からのレポート、JRや鉄道会社の計画運休は、ここ数年で市民の中には定着してきて、それを見越して行動する人が増えていると思う。今回、運行再開時間が過ぎても運行できなかったことが大きな問題となった。JR水戸支社では、午前9時ぐらいに運転再開と前日からアナウンスしていたが、多くの人が鉄道は運行していると思い集まって混雑していた。運行再開が遅れていることも逐一放送するのが非常に役立つ情報だと思う。車で駅に向かっている人にそんな状況であることを知らせる、ラジオにできる、ラジオにしかできない重要な役割ではないかと思った。
気になった点として、番組の中でリスナーの皆さんに各地の天気を教えてくださいという収録されたメッセージが何度か入った。緊急時にこのような呼びかけがあるとリスナーは今台風がひどいということを求めているのか、あるいは普段のまま放送されているのかとまどうのではないかと思った。関連して「防災一口メモ」も大事なことを伝えることも重要だと思う反面、緊急時に平時の予防対策の内容には温度差を感じた。

委員

茨城放送は県全域をカバーしているということとそのメリット、このような災害報道の時にメリットを活かそう、とう意図が鮮明に出てきた。今回平常時に絆をつくろう、「防災ステーション宣言」を掲げる茨城放送がどのような取り組みを本番でどう生かすか、絆をどう生かすかを問われた報道だったと思う。災害に対する準備が入念に行き届いた態勢づくり、番組だったと思った。現場主義、それぞれの各地からの情報収集を主軸にしている、各地の住民に対するきめ細やかな報道姿勢が色濃く見えた放送だった。
気象庁や自治体からの情報、ラジオカーの現場取材が印象的だった。ローカル線含め交通機関の運行状況、市町村の細かい地区までのきめ細かく情報を取り上げていたと思った。交差点の信号故障、住民にとってすごく重要な情報だと思う。
今回の報道番組を踏まえ、同様な災害があった場合を考えると、検証・レビューをすべきだと思う。復興と同時に災害に対する備え、それが十分にできたかどうか、あるいはそのための情報提供がラジオやテレビを通してどのように伝わったのか検証すべきである。絆づくりと防災のライブ報道、検証・レビュー的なものがセットとなってPCDAサイクルになると思った。
また、局の人間と住民が直接やりとりできるチャンネル、SNS等を駆使して「信号が点滅あるいは消えている等の情報があればぜひSNSにあげてください」など、住民とのチャンネルづくりがそろそろできて来てもいいのではと感じた。
いくつか課題はあったものの、今回の番組づくりに丁寧さを感じた。

委員

台風の進行状況などの気象概況のほか、自治体の避難勧告、避難準備命令の発令、あるいは県内のJR・私鉄の運行状況、茨城空港空の便、大洗港発着の北海道フェリー、復旧見通しまで含めきめ細かく住民目線、リスナー視線でよく伝えていると感心した。台風のような広域の自然災害の場合、最も頼りになるのは、いわゆる県域のローカルラジオ局だなと改めて感じた。
最も感心したのは市町村の出す避難勧告、避難準備情報を繰り返し伝えているところ。避難情報の程度と意味を解説したり、避難は差し迫った危険から命を守る全般ですと、屋内の安全な場所の移動も避難行動ですと付け加えているところも良かった。
当日は休日明けでもあり、公共交通機関の状況についてもきめ細かく伝えていたのも印象に残った。JR、大洗鹿島線、常総線、ひたちなか海浜鉄道湊線までよくフォローしていた、さらには高速バスの運行状況もよくフォローしていると感心した。リスナーの多くが県内居住者ということもあり、ローカルな地名、市町村名など臆することなくリアルタイムで伝えられるのは、広域の自然災害に県域のラジオと思った一番の理由。台風通過の報道も全国放送であれば茨城県南東部のような表現になると思われるが、竜ケ崎市付近を通過中という表現であれば当該市の住民もさることながら離れた市町村民でもはるかに位置的なイメージがしやすい。このようなところが、県域のローカルラジオ局の強みだと感じた。水戸駅南口からの中継、大変良かった。とりわけ良かったのは、途中で信号が止まっている、あるいは冠水しているところはなかったなど当日のマイカー通勤者にとって貴重な情報だと思った。
気になった点としては、ひとつは午前5時台の台風情報の中で流れたBGMが耳障りだった。このような特別番組の場合には、災害情報の切迫感を相殺してしまうのではないかと感じた。もうひとつはJRの運行状況の中で鹿島線と宇都宮線が抜け落ちていたと感じた。JR水戸支社の管轄ではない二線だが、できれば県内の潮来駅、鹿島神宮駅や古河駅などの利用者にも茨城放送のリスナーがいると思うので、今後JR千葉支社や大宮支社からも情報を取って放送した方がいいと感じた。
実は災害情報などをリアルタイムで伝えるのはラジオの独占ではなく、ネットや自治体発の情報提供もある。ラジオはかなり網羅的で利用者がすぐほしい情報がある訳ではないが、恐らく聞いている人はラジオで第一報を聴いて、必要であればネットなどで詳細な情報を調べて動くなど、これだけスマホなどが普及すると災害情報の受け手の棲み分け、使い方もあると思う。
災害時は人の声を聴くことがあまりない。被災住民は孤立感とか不安感を募らせるので、そんな時にラジオから流れる人の肉声は貴重で安心を伝えることになるのだろうと思った。

委員

台風15号の被害については、テレビ等の全国放送でも大々的に伝えられていたが、その多くは千葉県を中心とした被害が甚大な地域に関してのものだった。茨城県内でも県南地域をはじめ、多くの住民が被害にあっていて、茨城放送が県内各地域の被害状況や、自治体などの対応状況、ライフラインの状況を、発生直後から逐一放送してきたことは、大変有意義なことかと思った。今回の一連の放送でも、東日本大震災時の教訓等を活かして、住民に必要な情報が早く正確に伝えられていたように思った。

2019年10月31日

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