担任教諭の停職処分は違法 取手いじめ死亡 水戸地裁

2015年11月、取手市立中の女子生徒がいじめを受け自殺した問題で、不適切な指導があったとして停職1か月の懲戒処分を受けた当時の担任教諭が処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、水戸地裁は12日、処分を取り消しました。県側は、女子生徒の個別アルバムに書かれていた人格を中傷するような書き込みに対して、教諭が適切な対応を取らなかったことなどがいじめを助長したと主張しました。信用失墜行為であり、懲戒事由に当たるとしていました。

三上乃理子裁判長は判決理由で、教諭は書き込みを認識しておらず、回収した個別アルバムの内容をいじめを疑ってすべて確認すべきだったとはいえないと指摘しました。教諭のその他の行為についても「懲戒事由に当たるほど適切な指導とはいえない」としました。教諭は取材に「訴えが認められてほっとしている。改めて亡くなった生徒のご冥福をお祈りする」とコメントしました。

生徒の自殺をめぐっては、いじめの組織的な対応を怠ったとして、当時の校長や取手市教育委員会の幹部らも減給などの懲戒処分を受けました。