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2025年12月15日(月曜日)

地域に愛され27年 惜しまれ幕 そば店「与三郎庵」閉店 後継者難 12月限り

水戸市木葉下町のそば店「与三郎庵」が12月31日で閉店します。店主の森田与一さんが86歳と高齢となり、体力面の厳しさや後継者不在などを理由に27年の歴史に幕を下ろします。

地域住民らに愛され営業を続けてきました。お店は、畜産や農業を営んでいた森田さんが飲食店との兼業を決意し、趣味のそば打ちを活かして1998年に開店しました。敬意を表そうと、店名には4代前の祖先の名前を使いました。妻と7人の従業員で店を切り盛りし、観光客などが多く立ち寄るようになって経営が軌道に乗ると、民生委員などを務めたことから「年に一度は社会貢献を」とチャリティーイベントを開くなど、地域活性化にも貢献してきました。2007年には漏電による火災が発生し、全焼しましたが、数カ月で建物の再建にこぎつけ、営業を再開しました。自ら栽培した野菜をたっぷり使った天ぷらを添えたそばで、人気を集めました。閉店決断後は、なじみの客が連日訪れています。去年、一緒に店を切り盛りしてきた妻のとも子さんを交通事故で亡くし、以来、1人で従業員をリードしてきました。今は、最後の一杯まで思いを込めたそばづくりに没頭しています。店を畳む寂しさはありますが、「次の新たなスタートを切れるようにしたい」と決意を込めています。

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