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2025年12月03日(水曜日)

都市鉱山回収 リサイクルの強化へ 産総研が新拠点 人材育成も

(写真提供:産総研)

つくば市の産業技術総合研究所=産総研に、リサイクル技術の開発や廃製品の分析などを担う新しい研究拠点「SURE PROST」が完成しました。携帯電話やパソコンなどの家電製品に含まれる金や銀などの貴金属やレアメタルを指す「都市鉱山」の研究で民間企業と連携し、リサイクル業界の人材育成も推進し、産業強化に寄与させたい考えです。

施設には廃製品の粉砕や、選別する機械を67台整備しました。産総研が独自に開発した機械もあり、企業向けに既存技術の応用の提案ができるようにしました。リサイクル研究を紹介する常設展示室も設けました。「都市鉱山」の回収技術は、レアアースの価格の変動や、家電新製品の登場によって、価値が下がりやすいといわれます。また高度な破砕装置や選別装置はコストが高く、導入できるリサイクル企業は限られているため、国内のリサイクル産業の技術の底上げが課題です。産総研は、2010年に中国がレアアースの対日輸出を禁じた「レアアースショック」などを受け、2014年に都市鉱山の回収技術開発の促進などを目標に、リサイクル企業や装置メーカーなどが参加する組織を設立し、技術の普及や装置の利用の共有を進めてきました。

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