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2025年10月24日(金曜日)

骨のない虫もカルシウムを貯蔵 筑波大 体内で濃度調整も ヒトの治療に貢献か

筑波大学などの研究チームは、骨がない昆虫にも人間と同じくカルシウムを貯蔵する器官があることを発見し、イギリスの科学誌「ネイチャー」に発表しました。食べ物からの摂取が不足した際、体内のカルシウム濃度を調整する仕組みがあることも分かったということです。将来的には、カルシウム代謝異常の治療法や、創薬の研究に貢献するのではないかと期待しています。

カルシウムは全ての動物にとって必要不可欠で、筋肉の収縮や神経活動など、生きる上で必要な生理機能を支えています。人間は食物からカルシウムを摂取し、ホルモンが体内の濃度を調整しますが、カルシウムを蓄える骨を持たない無脊椎動物のメカニズムは不明でした。研究チームは、キイロショウジョウバエの一部が通常より細長いさなぎになることを発見しました。実験で幼虫にカルシウムを含まない餌を与えたり、特定のホルモンの動きを抑制したりすると、運動能力が低下し、細長いさなぎが現れたことから、体内のカルシウム濃度を調整する仕組みが分かったということです。

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