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2025年10月07日(火曜日)

環境研 熱中症でアース製薬と連携 入浴による暑熱順化 科学的に検証へ

つくば市の国立環境研究所は10月6日、入浴剤を手がける「バスクリン」を関連会社に持つ「アース製薬」と、体を暑さに慣らす「暑熱順化」の効果を科学的に検証するための共同研究契約を締結したと発表しました。

「バスクリン」が持つ研究の知見を科学的な検証に活かし、製品開発への応用を目指します。

熱中症を防ぐ対策では水分・塩分の補給や冷房の適切な使用のほかに、体を暑さに慣らす「暑熱順化」も重要です。ジョギングなどの汗をかくトレーニングの習慣化が暑熱順化を高めるとされる中、「バスクリン」は8年前から研究を進め、夏の暑さに備えた体づくりの手段として、継続的な入浴が有用と考えてきました。3年前の研究では、普段の入浴をシャワーで済ませ、全身浴の頻度が月3回以下の人たちは、毎日全身浴をしている人たちと比べ、熱中症で重症化するリスクが高まっていることがわかりました。適切な入浴条件は検証が必要としています。具体的には「バスクリン」が、40歳から55歳の30人の成人男性を2グループに分けて、シャワー浴と全身浴をしてもらい、エアロバイクによる負荷テストで詳しいデータを取ることにしています。

総務省消防庁によると、熱中症による去年の救急搬送は9万7578人と、統計を取り始めた2008年以降で最多になりました。

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