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2025年09月25日(木曜日)

41年ぶり 膵臓と腎臓を同時移植 30代男性に 筑波大病院

筑波大学附属病院は9月24日、脳死と判定された男性から提供された膵臓と、片方の腎臓を30代の男性患者に同時移植したと発表しました。膵臓と腎臓の同時移植は茨城県内では41年ぶりです。患者の容体は安定しているということです。

患者は長期の透析とインスリン注射を必要としていましたが、今後、順調に推移すればどちらの治療も必要なく、日常生活を送ることができる見込みです。臓器を提供した男性は20代で、頭部外傷で島根県出雲市の島根大学医学部附属病院に入院していましたが、18日に脳死判定されました。提供された臓器は、出雲市からつくば市に運ばれ、20日午後から翌21日未明までおよそ9時間かけて移植されました。

筑波大学附属病院では1984年に全国で初めて、膵臓と腎臓の同時移植を実施しましたが、執刀医が殺人容疑で告発され、その後、不起訴処分になっています。以後、41年間、膵臓と腎臓の同時移植は実施していませんでした。6年前に再開へ準備を始め、今回の実施となりました。臓器移植が進まない背景には、臓器提供の申し出があっても、専門医の不足や設備態勢など受け入れ側の課題もあります。

(写真:筑波大学附属病院提供)

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