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2025年06月17日(火曜日)

高エネ研 つくばの「ニュートリノ」 実験施設 報道公開 今後は一般公開も

つくば市の高エネルギー加速器研究機構=高エネ研で6月16日、250キロ離れた岐阜県の観測装置に向け、素粒子「ニュートリノ」を打ち込むために使われた実験装置が報道陣に公開されました。

高エネ研は、加速器を使って宇宙や物質のなぞに挑む研究をしていて、加速器で「ニュートリノ」のビームを人工的につくり、250キロ離れた岐阜県の巨大ニュートリノ検出装置「スーパーカミオカンデ」に打ち込んできました。「ニュートリノ」を打ち込む実験は東海村に移転し、つくば市の装置を使った実験は終わっていますが、今後、不用になった装置をライトアップし、一般公開したいとしています。16日は、2005年まで使われたニュートリノのビームを人工的につくる加速器と、打ち込む前にビームを通過させる検出器が公開されました。それぞれの装置で観測したデータを比べることで質量が解明できたということです。

加速器の実験装置の1つ「ニュートリノビームライン」があるトンネル内の、物質を発生させる長さ200メートルのパイプの入り口を前に、山野井豊・ハドロングループシニアフェローが説明しました。

高エネ研には、1000トンの純水で満たすことができる検出器つきの水槽も残されています。

施設には素粒子研究に使った、様々な研究機器が残されていました。「ニュートリノ」は核融合反応、超新星爆発などで発生し、物を突き抜ける力が強い性質があります。また、宇宙から降り注いだものが地球を突き抜けてしまうことが知られています。実験の成果は2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんらの研究にも生かされてきました。

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