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2025年06月06日(金曜日)
国家プロジェクトで食の改善へ 農研機構が開発 軽度不調改善に貢献
(写真提供:株式会社フローウィング)
健康維持につながるとされる弁当の登場が続く中、つくば市の農研機構=農業・食品産業技術総合研究機構が、健康維持のための「機能性弁当」を開発しました。農研機構の英語表記の略称をもじった「NARO(ナロ) Style(スタイル)弁当」「NARO(ナロ) Style(スタイル) PLUS(プラス)MEAL(ミール) SET(セット)」です。食物繊維やカロテノイド、ポリフェノールなど、機能性成分を含む農産物を積極的に使っているということです。
(写真提供:農研機構)
厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば、8200万人が、病気ほど深刻ではないものの、未病の手前の症状とされる「何らかの軽度不調を自覚している」と報告されています。農研機構は、軽度不調を緩和することが重要と位置付け、国の戦略的イノベーション創造プログラムの一環で研究をスタートさせています。農研機構の「機能性弁当」は、1食当たりの塩分量を2グラムに抑え、内臓脂肪の低減が期待できるということです。また「NARO Style PLUS MEAL SET」は、軽度不調の緩和が期待できる栄養成分を規定以上含んでいるとして、健康的な食品の民間認証「G-Plus」の第1号認証を取得しています。
(写真提供:亀山市)
三重県亀山市も協力し、機能性の効果を実証しようと、8週間食べ続けるユニークな試みも行われたということです。
農研機構の研究には、抗酸化作用に優れたポリフェノール類が豊富な、地中海のオリーブオイルなどの調査を続ける筑波大学生命環境系の磯田博子教授も参加しています。
成果を基に、新たな食や健康のサービスで軽度不調が改善される社会を目指しているということです。