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2025年05月27日(火曜日)
廃水の窒素化合物を再利用 産総研、環境保護に寄与
つくば市の産総研・産業技術総合研究所が、メッキ工場などの廃水に含まれるアンモニアイオンを回収し、下水に放流可能な濃度に低減する技術の開発に成功しました。
アンモニアイオンは窒素化合物の1つです。回収後は再利用が可能で、環境保護と資源の有効活用につなげたいとしています。技術は水処理事業などを手掛ける都内の「フソウ」と共同開発しました。技術を利用した装置には鉄を主成分とした粉末や、亜鉛を使った特殊な吸着剤を搭載し、廃水中のアンモニアイオンを回収します。これまでメッキ工場の排水は、希釈処理や産業廃棄物として処分していました。今後、下水や畜産の排水などの処理でも開発した技術を活用できると見込んでいます。
アンモニアは、産業廃水にアンモニアイオンとして含まれます。肥料や工業で広く利用される一方、環境汚染の要因の1つとされています。産総研のパラジュリ・ドゥルガ主任研究員は、「いろいろな廃水処理で活用できれば」と期待感を示しました。