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2025年05月21日(水曜日)
医療ジェット小児9人搬送 NPO、国に制度整備要望
高度な治療が必要な患者を医療用ジェット機で専門医療機関へ運ぶ活動をするNPO法人「日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク・JCCN」は、去年4月以降の試験運航で、心臓などに異常のある子ども9人を含む合わせて11人を搬送したと明らかにしました。厚生労働省で記者会見した、理事長で、千里金蘭大学の福嶌教偉学長は「医師らの協力で、うまく運航できた」と手応えを語りました。福嶌氏は「できる治療は、どの病院でも同じではない」と、高度な専門治療につなぐ意義を強調し、厚生労働省に搬送の制度整備や財政措置を求める要望書を提出しました。
ドクターヘリに比べ、ジェット機は長距離を飛行し、機内で治療もできますが、運航費が高額となります。JCCNは去年4月、愛知県を拠点に、子どもを対象とした試験運航を始めました。今年4月までに、東北や北陸、九州などの病院から要請を受けた生後8日から8歳7カ月までの子ども9人を、東京や愛知、兵庫などの専門医療機関へ運びました。飛行時間は平均でおよそ1時間、最長で897キロを移送しました。患者は手術を受けるなどし、6人が退院、3人が入院中ということです。試験運航には2700万円ほどかかり、寄付やクラウドファンディングの支援金で賄いました。
なお、LuckyFM茨城放送では、5月25日の日曜・午後1時からの1時間、高度な治療が必要な心臓病の子どもを取材し、紹介した報道特別番組を放送します。