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2021年11月15日(月曜日)
「ニュースなニューズ」認知症予防、水戸市の「脳の健康教室」
ニュースなニューズ。
認知症と診断される高齢者や介護保険で「要介護」と認定される人は、高齢化とともに増加しています。
簡単な読み書き計算と楽しいコミュニケーションで認知症を予防し、高齢者の仲間づくり、社会参加を促す「脳の健康教室」。
水戸市内でも、10か所の会場で毎週1回開かれ、最高齢者は88歳です。楽しみながら、毎日続けて健康を維持しようという活動とは。
市内10か所で週に1度行われている、「脳の健康教室」。文章を声に出して読んだり、書いたり、さらに計算をしたりして脳を鍛え、認知症を予防しようという取り組みです。
全国で見ても、2018年時点で230の市区町村が導入し、5800人が参加しています。 水戸市では2007年から教室を開き、読み書き計算に加え、シルバーリハビリ体操を導入。今年度は80人が参加しています。
水戸市の65歳以上の人口は72329人。そのうち、介護が必要な「要介護」と認定されている人は全体の18.9%、13000人を上回ります。介護を必要とせず、どのように健康を保ってもらうかが課題です。
脳の健康教室の参加者は全員65歳以上で、教材費の2000円は参加者の負担です。
利用者は、同世代の人と集まり、簡単な読み書き計算をテンポよく解いていきます。
幼いころ通った学校のように、「宿題」が出ることで、生活リズムが整っているという声もあります。
この教室で使われている認知症予防プログラムは、厚生労働省や経済産業省などが連名で作ったガイドブックに掲載されています。脳の前頭前野を刺激し、高齢者の認知症を予防するといわれています。
2025年には、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になるとも危惧されている日本。
水戸市では、地域の小学校や公民館が会場となる介護予防教室と、行政のスキームが1つになり、高齢者が住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らせる「地域包括ケア」のさらなる構築にも期待しています。
認知症があってもなくても同じ社会でともに生きること、また、認知症になるのを遅らせることや、認知症になっても進行を緩やかにすることが求められています。
世代を超えて高齢者と関わる地域の人々や行政。
健康寿命をのばすため、水戸市はどのような取り組みをしているのでしょうか。
予定があること、通う場所があること、これがまだまだ続く100年人生を幸せにする秘訣のようです。
何歳になっても目標や楽しみを持ち、社会に参加することの大切さを脳の健康教室の参加者から学びました。