ニュース

2025年03月24日(月曜日)

世界初、劣化ウランを活かす蓄電池を開発

原子力発電の燃料を製造する過程で除外される「劣化ウラン」について、日本原子力研究開発機構が、蓄電池として活かす技術を開発しました。世界で初めてということです。

原子力機構によりますと、「劣化ウラン」の元となるウラン鉱石は、質量数の異なるタイプの物質が混ざっており、特に、核分裂を起こしにくいウラン238が99・3%あります。いまの軽水炉の燃料には使えないことから「劣化ウラン」と呼ばれ、国内に1万6000トン、世界におよそ160万トンがIAEAの監視下で厳重に保管されています。次世代の原子炉が商用化されるまでの間、日本国内では、利用用途がありません。

一方、次世代エネルギーとして期待される太陽光や風力による発電は、気候や時間帯で出力が安定せず、「ピーク時に即対応できない」といった課題もあります。原子力機構では、原子力発電や次世代エネルギーによる発電それぞれの余った電池を蓄えて需給バランスを安定させ非常用電源にも活用できる策を2000年代から研究してきました。その結果、場所を固定させた蓄電池のシステムを作る際、膜を隔てた両極の溶液タンクを用意し、マイナスの極に劣化ウラン溶液、プラスの極に鉄の溶液を触れさせた結果、通電と放電が出来たということです。

 

新着記事一覧