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2025年03月21日(金曜日)

補助人工心臓付けた子どもが心臓移植 筑波大附属病院

つくば市の筑波大学附属病院は3月19日、記者会見を開き、重い心臓病で闘病中の10代の男の子が去年、都内で移植手術を受け、順調に回復していると発表しました。

男の子は、生まれつき心臓の心室が一つしかない「単心室症候群」という重い心臓病を患い、24時間心臓の動きを管理する「補助人工心臓」の装着で3年間、病院での移植のため、待機を続けていました。その結果、脳死判定された人から心臓を提供され、都内で移植手術を受けました。子どもの心臓移植は茨城県内で初めてで、「単心室症候群」のケースは国内2例目ということです。

子ども用の補助人工心臓は10年前に承認されていますが、ドナーを待つ間の患者へのサポート体制が十分整っておらず、感染症や脳梗塞のリスクが高まることも少なくありません。移植手術後の経過は順調で現在、自宅で家族と過ごしています。

男の子の母親は取材に対し「移植を待ち続ける日々は、希望を持ちつつも不安や葛藤の連続でしたが、安定して過ごせていることに、感謝の気持ちで一杯」と話しています。一方、移植を待つ子ども本人だけでなく子どもをサポートする家族の負担をどう軽減するかが課題です。男の子の母親も「日本ではまだ、小児の心臓移植をめぐる環境が厳しく、待機期間が長くなってしまう現実がある」と話しています。

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