ニュース
2024年07月09日(火曜日)
原子力科学研究所 廃炉する福島第一原発・ 燃料デブリ取り出し手法検討へ注力
(写真提供:日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所)
日本原子力研究開発機構は、東海村の原子力科学研究所にある定常臨界実験装置「STACY」について、8月から運転を再開すると発表しました。装置を改造し、廃炉作業中の福島第一原発から燃料の塊を取り出す方法を研究するのが目的で、13年8カ月ぶりの運転再開となります。
研究所によりますと、定常臨界実験装置「STACY」は、液体燃料を活用する原子炉を用いた臨界の安全を確保する研究用として1995年から運用され、1999年に発生したJCOの事故調査に貢献するなどして2010年11月にいったん運転を終了させました。次世代軽水炉の開発を目指す方向を当時掲げたものの巨大地震で2011年に福島第一原発が爆発したことから廃炉に向けて燃料の塊を取り出すための目的を追加し、原子力規制庁から事業を受託することになりました。
原子力機構では、「STACY」の原子炉を固体燃料を用いる用途に全面改造し、原子炉設置変更許可申請や使用前の事業者検査や確認証交付を経て8月の運転再開を目指します。