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2024年05月17日(金曜日)

虐待相次ぐ東海村の障害者施設を指定停止

東海村にある指定障害者支援施設などで施設長や職員が、入所者に暴行や金銭詐取などの虐待を繰り返していたとして、茨城県は、5月17日、この施設を3カ月間の指定効力の全部停止処分にしたと発表しました。

指定停止を受けたのは、東海村石神内宿の社会福祉法人「愛信会」が運営する「第二 幸の実園」です。停止期間は、3か月後の8月18日から3か月間で、その期間、「愛信会」では、行政からの自立支援給付費、あわせて4500万円の補助が受けらません。

茨城県の障害福祉課によりますと、「愛信会」が運営する「第二 幸の実園」では、知的障害者の生活支援などを行っていて、5月1日現在の入所者は53人です。2020年から「施設長を含む複数の職員が、日常的に、暴言を吐いたり、暴力を振るったりしている」などと通報があり、県が、複数年にわたって調査した結果、指定日時以外に農作業をさせたことも判明するなど、9件の身体的虐待を認定しました。あわせて、入所者9人からの預り金およそ250万円をだまし取ったり、外食や海外旅行で職員の分の費用あわせて二十数万円を負担させたりするなど2008年から長年にわたる経済的な虐待も認定しました。

一方、「第二 幸の実園」を運営する「愛信会」は、2023年4月、茨城県に対し処分をしないよう求め弁護士を通じて水戸地裁に提訴し、入所者への暴力や金銭を含めた虐待を否定しています。そして、行政処分を受けた17日、弁護士を通じて、「事実関係が異なる。指定の『取り消し』ではなく指定の『効力停止』であり、事業所の運営になんら問題はなく、通常運営を継続する」などとするコメント文を発表しました。

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