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2024年02月19日(月曜日)

味や香り、伝わりやすく「ごはん用語辞書」 作成中 農研機構、企業と共同で

ごはんの味や食感を表す多くの言葉を定義しようと、つくば市の農研機構が、東京の伊藤忠食糧と共同で「ごはん用語辞書」作りに取り組んでいます。あいまいなまま使われている表現に基準を設けることで生産者や流通現場が伝えたい「ごはんの個性」が正確に消費者に届くことが期待されています。生産や流通、販売の現場では、専門家らが鼻や舌で品質を判断する「官能評価」が行われ、結果は新品種の開発や仕入れに影響したり、商品の宣伝に生かされたりしています。

研究は2021年からはじまり、評価に熟練した研究者ら12人が、32品種を食べて見た目や味、香りの感想を出し合いました。炊き立てだけでなく、時間がたったもの、コンビニおにぎりや長期保存用のパックごはんなど110種類以上を試食しました。言語化できずに見過ごされてきた特徴も辞書に入れれば拾い上げられるということです。

現在は外観、味、香り、食感の4分類で100語に絞り、定義づけの作業中です。類義語や反対語も紹介し、「特定品種に多い特徴」「多くの粒を見て判断すること」など、評価の際に指針となるような補足も加えます。全国のコンビニなどに精米を販売する伊藤忠食糧でも「みずみずしい米、といっても、べちゃつく、ととらえる人もいる」と例を挙げていて、「ごはん用語辞書」は「ごはんの個性」を正確に届けられるよう、2024年度中に、農研機構のホームページで公表される予定です。

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