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2024年01月19日(金曜日)
能登地震 医師「ストーブは補完でしかない」
1月1日に発生した能登半島地震の被災地に派遣された2人の医師が記者団の取材に応じ、停電の状況で稼働させるストーブは数が少なめで補完的な役割でしかなく、ストレスの蓄積など被災者の健康状態の悪化が懸念されるなどと語りました。
(写真提供:水戸赤十字病院)
(写真提供:水戸赤十字病院)
取材に応じたのは、水戸赤十字病院で災害や救急を担当する2人の医師です。捨田利外茂夫医師は、急性期医療を担うDMATTの隊員として、輪島市内で1月8日から2日間、鈴木俊繁医師は、日本赤十字社からの派遣で珠洲市内で1月13日から3日間、それぞれ、被災地支援医療活動を行いました。支援に入った現地の病院などでは、採血するための機器が壊れたり手術室が使えなかったりしたほか、高齢者施設では、停電が続き暖房が使えないということです。
捨田利医師は、被災者の健康状態について、「燃料の支援はあるがストーブは数が少なく補助でしかない。寒いため風邪をひきやすく、発熱も出ている」などと述べました。また、避難生活が長期化し終わるメドが立たないストレスを看護師にぶつける人もいたということです。鈴木医師は、時折、声を震わせながら「感染症や発熱が増えている。具合が良いワケない、と言われ心のケアの必要性が出ている。」と語りました。
今後について、水戸赤十字病院の捨田利医師と鈴木医師は、通れない道路が多く断水が続き休診しているクリニックが多いとしたうえで、被災者の声なき声にも耳を傾けることと、持病の悪化を防止する薬を確保・提供する、衛生状態の悪化を防ぐなど災害医療で支援すべき内容が多いと訴えました。
(写真提供:水戸赤十字病院)