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2024年01月17日(水曜日)

能登地震 過去に比べ減災復旧が1週間遅い

元日に発生した能登半島地震で1月15日まで石川県珠洲市で活動した日本赤十字社茨城県支部の2人の職員が取材に応じ、これまで発生した過去の地震災害にくらべ減災や復旧が1週間遅いなどと状況を説明しました。

取材に応じたのは、連絡調整員をつとめた、坂本貴弘さん40才と小吹勇介さん33才の2人の職員です。1月13日から15日まで、坂本さんは、医療救護班のテント管理などを担当し、小吹さんは医療コーディネートチームで救護班を派遣する場所と時間の調整役でした。移動中や現場からの報告を踏まえ「水や道路が通じない箇所が多く、減災や復旧が、過去の地震災害に比べ1週間遅い」と現状を説明しました。そのうえで、災害発生から2週間半が経過する珠洲市内の様子について、坂本さんは「家屋が倒壊し、道路が陥没・隆起し、橋は段差があり走行し辛く、信号が消えている箇所もあり夜間は街頭が付かず危険だった」と話しました。また、小吹さんは、避難所の様子について「一番の実感は水が通っていない。トイレや風呂に不自由し衛生面の悪化や感染症のリスクに繋がり、ダンボオールベッドは届くだけで組み立てる人がいない」など困りごとを説明しました。

減災や復旧が遅くなる理由については続く余震に伴う新たな土砂崩れや積雪も挙げ「今日通れた道が明日通れなかったり能登半島の突端で経路の選択肢がなかったり」などと長期化への懸念材料を語りました。さらに、メンタル面については「新型コロナ感染が出て、拠点施設を兼ねる避難所で迷惑をかけて困惑しているとの連絡があったり、被災者でありながら避難所を管理する立場の人もいて、長期化するにつれてますます厳しくなる」など心のケアにも言及しました。

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