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2023年12月04日(月曜日)
核融合、初プラズマに成功 量研那珂の実験装置「JT60SA」
量研・量子科学技術研究開発機構は12月1日、核融合の実験装置で那珂市にある「JT60SA」が核融合反応に必要なプラズマの生成に初めて成功したとして、式典を開いて成果を発表しました。
核融合の原型炉開発に向け、現時点では世界最大級の実験装置です。再来年から本格的な運転を始める予定で、得られた知見を国際熱核融合実験炉・ITERでの研究に役立てます。那珂市の量研・那珂研究所で行われた式典はオンラインでも中継され、盛山文部科学大臣が点火スイッチを押し、画面にプラズマを示す青い光が映し出されました。
JT60SAは日本とヨーロッパが共同で建設しました。重水素を1億度以上の高温、高密度で閉じ込め、原子核と電子がバラバラになって飛び回るプラズマと呼ばれる状態を作ります。
10月23日、初めてプラズマ発生を0・5秒間確認しました。これまでの実験で維持時間は10秒に伸びており、達成すれば世界初となる高圧プラズマの100秒間維持を目指します。温度は1500万度に達し、プラズマの体積は世界記録を5割上回りました。
核融合は太陽の内部で起きる反応で、軽い原子核同士が合体して重い原子核になる際、膨大なエネルギーを放ちます。人工的に核融合を起こせば、CO2・二酸化炭素を排出しないエネルギーに利用できると注目されます。