ニュース

2023年11月21日(火曜日)

産業廃棄物の無許可埋め立て 稲敷市などに 賠償命じる裁定

稲敷市の寺の所有地に業者が無許可で産業廃棄物を埋め立てたのに、市はこれを産廃かどうかの検討を怠るなど適切な対応を取らなかったとして、寺や周辺の住民が損害賠償を求めて国の公害等調整委員会に裁定を申し立て、委員会が業者に加えて市の責任を認めて賠償を命じる裁定を出しました。

公害等調整委員会に裁定を申し立てたのは、稲敷市小野の寺と周辺の15人の住民です。申し立てによれば、寺の所有地で2016年、建設汚泥を処理した産業廃棄物が無許可で埋め立てられました。寺や住民は埋め立てに関与した2つの業者に加え、稲敷市にも埋め立ての停止を命じるなどの適切な対応を取らなかった責任があるとして、埋め立てによって枯れた樹木の復旧費用や住民への慰謝料などあわせて2750万円の損害賠償を求めていました。

これについて、委員会は、20日までに業者の責任を認めるとともに、稲敷市についても無許可の埋め立てを確認し、認識できる状況だったとして、権限を行使しなかったなどという判断を示しました。そのうえで、業者と市が共同で2000万円余りを寺や住民に支払うよう命じる裁定を出しました。

住民側は残土処理物の撤去費用を求め、水戸地裁龍ケ崎支部に提訴する方針です。稲敷市は「裁定書の内容を精査中で、今後の対応について検討している」としています。

新着記事一覧