ニュース
2023年11月08日(水曜日)
原電 公表遅れは詳細原因調査後の考え
東海第二原発の防潮堤工事が一部施工不良だったことの公表が遅れた理由について、日本原子力発電は11月8日、原因調査や対策の構築などを済ませてからと考えていたなどと釈明しました。これは、8日午後開かれた東海村議会・全員協議会のなかで、東海第二原発の山口嘉温所長らが質疑のなかで述べたものです。
新規制基準を踏まえた防潮堤の工事では、基礎部分を取り囲む複数の土留めで不備が見つかっています。原電・東海第二原発は、その原因について強度を高めるために鉄筋の構造物の間にコンクリートを詰める際、崩れて入り込んだ土砂を除去し切れないまま作業が進み隙間が出来たと説明しました。また、鉄筋のゆがみや損傷については土砂を除去する過程で大型工具がなんらかの理由でぶつかり発生し、最大で30メートルほどにわたったと明らかにしました。そして、現場を視察した村議会や原子力首長懇談会などに説明することなく一部施工不良の判明から公表までに4か月から半年経過したことについては、原因調査や対策の構築などを済ませてからやるべきものと考えていたと説明しました。
休憩後、原子力問題調査特別委員会も開かれましたが、今回の施工不良の公表を受けて再稼働請願の一部を再審査すべきとした追加の請願は、賛成少数で、不採択となりました。終了後、一部の傍聴者からは「この施工不良は重大事案ではないか。一般市民の立場からすれば公表は遅いと思う」との声が聞かれました。一方、原電は、質疑終了後、「詳細は広報を通してほしい」などとして記者団の前から立ち去りました。