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2023年09月08日(金曜日)
ヨークベニマル、茨城大学にトリチウム検査依頼
東京電力福島第一原子力発電所からの廃炉処理水海洋放出に関連し、茨城県内にも45店舗を展開する流通大手「ヨークベニマル」は、水産物に含まれるトリチウム濃度を短時間に測定する手法を茨城大学大学院・理工学研究科の鳥養祐二研究室に委託し、半年あまりにわたって自主検査することになりました。
鳥養教授は、ヨークベニマルの本社がある福島県郡山市生まれで核融合の研究で日頃からトリチウムを扱っています。鳥養教授の研究室は、穴を開けたタッパーに準備した水産物の切り身30グラムをフリーザーバックに入れ、マイクロ波を出す電子レンジで10分加熱させて出た水分をおよそ1時間で分析しています。
自主検査している水産物は福島第一原発から数十キロ北、福島県相馬市の原釜港の沖合で漁れるひらめ、目光、イカなどです。凍結乾燥法などで2週間から3週間、水産庁の迅速測定でも1日かかるものを1時間で進めるということです。鳥養教授は「マイクロ波加熱法は、港にあがった魚のトリチウムを出荷、あるいは店頭に並ぶまでの間に測り、安全を確認したいということで開発した手法です」と話しています。これまでの測定の結果、国が安全と定める基準を下回っているということです。
ヨークベニマルによる委託期間は来年(2024年)3月末までです。