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2023年09月04日(月曜日)

トリチウム測定、1時間に 茨城大、電子レンジ使用で

茨城大学大学院の鳥養祐二教授の研究室が、水産物に含まれるトリチウム濃度をおよそ1時間で測定する技術を開発しました。従来の1カ月から、電子レンジを使用して大幅に短縮しました。東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出後の9月1日、福島県相馬市で水揚げされた魚介類から抽出した水分中のトリチウム量を調べた結果、国が安全と定める基準を下回りました。

測定方法は、切り身をのせた容器をポリ袋に入れて密封し、レンジでおよそ15分温めて、袋にたまった水分を採取します。検査用の機械を動かすと、およそ30分で水分中のトリチウムが検出されます。研究室は、8月30日に取れたホッキ貝、ヒラメなど3種類からトリチウム量を測定しました。いずれも放出前の海水に含まれる量と同じ程度だったため「放出の影響は見られない」と結論付けました。

鳥養教授は植物などの濃度測定に使われる手法を改良しました。実用化できれば、水揚げから店頭に並ぶまでの間に測定が可能になるということです。「安全性の説得力が増す」と語り、風評被害対策に貢献したいと強調しました。(共同)

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