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2023年08月10日(木曜日)

海軍航空隊跡地を公開 司令部に当時の面影、鹿島

太平洋戦争の貴重な遺構を後世に残そうと、美浦村が、霞ケ浦湖畔で水上飛行機の操縦訓練をしていた旧鹿島海軍航空隊の跡地を整備し、7月から一般公開を始めました。
司令部やボイラー棟は当時の面影を残しており、関係者は「時が止まったかのようなこの場所で戦争に思いをはせてほしい」と話します。
鹿島海軍航空隊は1938年に発足しました。パイロットの基礎教育を行う海軍飛行予科練習生を修了した20歳前後の飛行練習生らが、霞ケ浦南岸のおよそ27ヘクタールの敷地で水上機の操縦を訓練し、在籍者は一時、千人を超えました。また1945年には特攻隊が編成され、沖縄周辺で出撃した記録が残ります。特攻や空中戦などで数十人が戦死したとされます。戦後は東京医科歯科大学病院の分院として結核患者の治療に使われ、1997年の閉院後は長く放置されていました。敷地の一部は国の研究機関や民有地になっています。
美浦村は2016年までに7・6ヘクタールを国から取得し、大規模太陽光発電所 メガソーラーを設置しました。湖畔公園としてフットサル場などを作る構想でしたが「戦争遺構として残すべきだ」との声を受け、公開に向けて駐車場などを整備しました。跡地には、司令部があった鉄筋コンクリート3階建て庁舎や旧式ボイラーがある汽缶場、自力発電所、自動車庫の4棟の他、士官宿舎の基礎部分や旧海軍のマークが入った消火栓も残っています。
公園の指定管理者「プロジェクト茨城」の金沢大介代表は「町の中に戦跡が残っている場所は各地にあるが、ここは新しいものが加わっていない。戦争の厳しい状況がイメージしやすいのではないか」と話します。
公開は毎週土曜と日曜の午前9時から午後5時までです。(共同)

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