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2023年06月23日(金曜日)
茨城県内でオズウイルス感染の心筋炎で初の死者
マダニが媒介するオズウイルス感染症で茨城県内の女性が死亡していたことが分かりました。オズウイルス感染症の死亡例は世界で初めてとみられるということです。県感染症対策課が6月23日夕方記者会見を開き明らかにしました。
去年(2022年)の夏に亡くなった70代の女性は、発熱や倦怠感などの症状が出て、当初、肺炎の疑いで抗生剤を処方されましたが、悪化したためつくばメディカルセンター病院に移って入院し右足の付け根に、マダニにかまれた跡が確認されました。ダニ媒介感染症や心筋炎の疑いと診断され治療を受けたものの、多発性脳梗塞や心室細動も発症し入院から26日後に死亡しました。病理解剖や県衛生研究所、国立感染症研究所の詳しい検査でオズウイルス感染症が判明したということです。
(写真はタカサゴキララマダニ雄成虫 国立感染症研究所提供)
オズウイルス感染症は2013年に愛媛県で採取されたタカサゴキララマダニから2018年に分離・同定されたウイルスです。二ホンザルやイノシシ、シカの血清抗体調査で国内の広い範囲の分布が予測されているものの、人間での発症や死亡事例がないことから茨城県在住の女性の死亡が世界で初めてのケースとみられるということです。オズウイルスの人間への感染経路は確立された研究成果はないものの、人間を刺したり咬んだりするマダニからオズウイルスが検出されたことから、女性の死亡はマダニによる感染が考えられるということです。
県では、マダニは、春から秋にかけて活動が盛んであることから、住宅の庭や公園、登山などで刺されないよう注意が必要としています。