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2023年06月21日(水曜日)
クリの収穫機 茨城県、福岡の企業と開発 作業時間は3分の1に
茨城県が、全国1位の収穫量を誇るクリの収穫機を福岡の企業と共同で開発し、いちばん手間のかかる収穫の効率化に注目が集まっています。
クリの収穫には、木から落ちた実をトングで挟んで1つずつ腰をかがめながら拾い集めるため、負担が重い農作業となっています。新しい収穫機は来月、発売予定だということです。クリの収穫機「バーディーマロンピッカー」は、福岡県の農機具メーカー「オーレック」が茨城県農業総合センター園芸研究所と共同開発しました。手押し車のようにして運転し、歩きながらハンドルを操作します。機体の底のブラシが回転し、地面に落ちているクリを拾い上げ、機械の前に取り付けてあるカゴに入れていく仕組みです。実証実験では、イガグリであればほぼ100%、実でも7割から8割を回収し、従来の手作業と比べ、作業時間を3分の1ほどに短縮できたということです。クリの収穫は手作業で大きな負担となっていて、そのことが高齢化と担い手不足にもつながっています。
一方でクリを素材にするモンブランケーキの人気などを背景に、ペーストなど加工品の需要は高まっています。4月、笠間市での実演会にも多くの生産者が集まりました。クリの収穫は総労働時間の4割から5割を占めるとされ、省力化、効率化が大きな課題になっています。海外製のクリの収穫機の流通も始まっていますが、日本のクリ畑は木と木の間が狭く、大型の海外製の収穫機は普及しませんでした。農作業の省力化、効率化の観点から、県が開発に関わったクリ収穫機も普及するかどうかが注目されています。