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2023年05月24日(水曜日)
高速炉「常陽」事実上合格 原子力規制委員会の再稼働審査
原子力規制委員会は5月24日、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」について、再稼働に向けた安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を決定しました。事実上の審査合格です。国民からの意見公募などを行った後、正式に決定します。
常陽は国内唯一の高速炉で、廃炉になった福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」の前段階に位置付けられる研究施設です。発電はしません。冷却材にナトリウムを使うなど、水を使う一般的な原発・軽水炉とは型が異なります。日本原子力研究開発機構は2025年3月の再稼働を目指しており、高速炉開発や、医療用の放射性同位体の製造で活用します。
1977年に運転を開始し、原子炉内装置のトラブルで2007年から停止中です。
(共同)
「常陽」が運転再開に必要な新規制基準に適合したことについて、茨城県の大井川知事は、国に対して「説明責任を果たしてもらいたい」などとする談話を文書で発表しました。
大井川知事は、談話のなかで「安全確保に万全を期すのはもちろんのこと、高速炉開発の意義やその必要性について国民の理解が得られるよう、国には説明責任を果たしてもらいたい」としました。
運転再開への同意権は、立地自治体である大洗町と茨城県が持っています。