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2023年05月17日(水曜日)
福島第一原発 茨城のメディアに報道公開
12年前の2011年に事故を起こした東京電力福島第一原発で、廃炉作業の様子が、5月16日、茨城県内の記者団に公開されました。
東京電力は、作業で出た処理水を海洋放出するための地下トンネル設置工事について、6月完了を目指すと述べました。
福島県大熊町の現地では炉心溶融・メルトダウンを起こした2号機と1号機で2024年度以降からの使用済み燃料プールからの核燃料取り出しに向け、安全作業装置の取り付け工事やがれきの撤去作業が進んでいます。
廃炉作業の過程で、政府がこの夏をメドに海洋放出を始める方向性を打ち出していることを踏まえ、東京電力は、それに必要な地下トンネル設置工事について6月完了を目指すと述べました。
海洋放出の開始時期については国の判断であることを強調しました。
5月16日の報道公開では、処理水を海洋放出した場合を想定しヒラメとアワビを使って半年あまり続けている試験養殖の経過を説明し、成長の仕方や死亡数に大きな違いはないと述べました。
処理水の海洋放出に漁業関係者が反対している点については「漁連の方々はどちらかというと、トリチウムの性質などを理解していただいている。ただ、消費者が魚を購入してくれなければ、結局、被害を被るのが納得できていないと思う。なので、主体的に対応しなければいけないのは、消費者、流通業者、加工業者」などとしました。
東京電力では、廃炉作業、そして、処理水の海洋放出ともに30年から40年は必要としています。
(写真はすべて毎日新聞社による代表撮影です)