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2023年04月11日(火曜日)

児童書の購入で「ふるさと納税」の寄付 運用始まる つくば市

つくば市の書店で、児童書を購入すると「ふるさと納税」の寄付ができる仕組みの運用が始まりました。運用は、北海道を地盤に書籍・文具店を展開する「リラィアブル」が運営している書店「コーチャンフォーつくば店」で行われています。

つくば市は 「自治体が企業と直接連携し、寄付金付き商品を扱うのは札幌市などにしか例がない」としていて、寄付を子どもに低額や無料で食事を提供する「子ども食堂」整備などの原資に充てたい考えです。寄付の仕組みは、購入する児童書を決めたらレジで決済するだけで、1冊あたり10円が寄付されます。つくば市は研究者などが多く、子どもの教育にも熱心な人が多いということです。

ふるさと納税の競争が激化する背景に、住民が他の自治体に寄付する「税の流出」があります。つくば市の場合、2017年からの5年間で流出額の合計は35億7000万円に達しています。他の自治体に流れた税金の75%は国が補塡しますが、つくば市の財政状況は健全で、地方交付税が入らない「不交付団体」なので補塡されません。「行政サービスの低下」だけでなく、子どもの貧困など、市が取り組むべき課題は山積みになっています。企業にとっても、企業版ふるさと納税に積極的に取り組めば、自社の価値を高めるにも役立つということです。

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