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2023年01月17日(火曜日)
ひたちなか市の天然芝のサッカー場 多くの人に親しまれる
ひたちなか市のひたちなか地区多目的広場には天然芝のサッカー場があり、多くの人たちに親しまれています。全国のサッカー場で人工芝を導入する動きが目立つ中、最高の環境を提供しようと、天然芝を全面採用しました。去年、ワールドカップでの活躍が注目された日本のサッカー界では弾力性に富んだ天然芝が怪我防止などに加え、環境を考えるきっかけになっているということです。広場は、日本サッカー協会が実施しているビニールのポットで育てた苗を芝生に使うプロジェクト事業を活用し、茨城県サッカー協会の大和田健会長が、会長に就任する前の2016年、天然芝にしました。
大和田会長は「芝生が伸びすぎちゃうとサッカーができない。芝刈りは3月の後半ぐらいから徐々にやるが、1週間に1回ぐらいの間隔で4つのグラウンドでだいたい1時間半から2時間ぐらいは芝刈り機で刈る。資金もないので、順番にA面とB面、翌日はC面と実施。これが6月後半から夏場にかけた時期になると、1週間に3回ぐらいは行っている」
9月後半には冬芝の種をまいて生育し、年間を通じて緑色の強い芝を維持しています。天然芝の養生を業務委託した場合、コート1面当たり年間1千万円が必要ですが、自ら取り組めば高額な費用はかかりません。広場の需要も非常に高く「毎週土日はもう満杯で。首都圏のチームにとって、やっぱりグラウンドは数少ない。東京、埼玉、神奈川のチームも週末には来ている。関東レベルの大会、輪番でも実施されている関東大会のような行事はグラウンドが確保できないので、何とかやらせてほしいと集まってくる」と話します。
茨城県内では、水戸市の「JAいばらきスポーツパーク」などに人工芝のサッカー場が新設されました。発足から30年を迎えるサッカーJリーグの「百年構想」の1つに、緑の芝生化という目標が掲げられていますが、天然芝については傷みやすく、また、消耗が激しい強豪校や大学の練習グラウンドでは天然芝を維持できず、大和田さんは天然芝を採用するサッカー場もまだまだ少ないといいます。大和田さんは「管理費がかからない状況になるには人工芝が行政的には一番やりやすい」と話します。
弾力性に富んだ天然芝はけがの防止などに加え、環境を考えるきっかけになるということです。日本のサッカー界は現在、競技人口は多いものの、少子化や趣味の多様化などが課題です。大和田さんは将来に向け、茨城県内に天然芝でアマチュアが自由にプレーできるサッカースタジアムの新設という大きな夢を描いています。