「食」プロジェクト
2022年12月21日(水曜日)
茨城県産の酒づくりに新たな風を 県のプロジェクト進行中
茨城県から斬新な日本酒を誕生させる、県の「日本酒若手蔵元活性化プロジェクト」に参加している酒蔵で、酒づくりが進み、来年のお披露目に向け、従業員たちが仕込みを続けています。
茨城県は酒蔵数が多い一方で知名度が低いために出荷量が低迷しています。プロジェクトでは、若き蔵元や造り手が、県の支援を受けながら斬新な日本酒を生む活動を展開しています。
プロジェクトに参加している酒蔵のうち、結城市の株式会社「武勇」深谷篤志さんは「生酛(きもと)の最初の仕込みを行ったところで、ここから1ヶ月ぐらいかけ、イースト菌や、酵母を増やす段階に入っている」と話しています。
「武勇」は慶応年間の創業で、165年ほどの歴史があります。47歳の深谷さん、「武勇」の名を受け継ぎながらも、時代に合わせた変革に挑戦を続けています。来年3月にはお披露目会が予定されていて、「お酒を作るだけでなく、これをどうすることに期待するかというところでは、ラベルなどの見せ方について、アドバイザーの方にも入っていただいて、リニューアルへ新しい取り組みができている」と述べました。
参加者らはこれからも変革を求め、時代に合わせた酒造りをしていきたいと、事業に意欲的に取り組んでいます。深谷さんに伺いました。
Q:日本酒蔵元活性化プロジェクト、作業はいま、どんな段階に入っているのか。
A:生酛(きもと)造りというのがひとつのカギになっているが、生酛の最初の仕込みを行ったところ。ここからひと月ぐらいをかけてまずイースト菌、酵母を増やす段階に入っている。
Q:ネーミングにはどんな由来があるのか。
A:茨城がいま、自転車を誘致してる県なので、そういった取り組みに少し恩返しできないかなというところ。自転車にまつわるラベルで何かをを作りながら、製法が伝統的の生酛造りということで、微生物のサイクルを利用して作る日本酒になるので、ポップな意味での自転車というラベルで、伝統的な生酛造りという奥深さの融合したお酒を作ろうということで取り組んでいる。
Q:品質面では特にこんなところを工夫しているのか。
A:生酛造りはここ数年取り組んできた。色々な味を表現できるが、本当に面白い製法。しっかりした本格的な味で、骨格の太い味わいも作れ、現代風で、非常に飲みやすいタイプも作れる。今回はどちらかと言うと飲みやすい、若い方などに気軽飲んで頂けるような味わいに仕上げようと思っている。軽い味わいだが、作り方としては非常に本格的な、江戸時代の昔から続いているような伝統的な作りに取り組んでいます。
Q:何かを活用しているような話があれば、お話しできる範囲でご紹介を。
A:日本酒は発酵してる時にはパンと同じなので、炭酸ガスをつなぐ。抜いて瓶詰めするが、今回はあえてその炭酸ガスも残し、火入れをして熱殺菌をした状態で少し舌がピリピリするような刺激のある味わいを表現しようと思っている。
Q:ここまでの取り組みはかなりご自身では順調という評価になりそうか。
A:県の審査会が終わってから、どんなシーンで酒を飲んで頂きたいかといったような、製造の現場に携わってきてここまで考えてこなかったような新しい取り組み。自分の中でも新しい考え方として、学びながら、今までにないアプローチの仕方で酒造りに取り組んでるという感覚がある。私自身も非常に楽しみながら今この製造期間を迎えている感じ。
Q:販売方法などについて。
A:従来の流通+ちょっとこうまたおもしろ自転車を題材にしている時もありますのでアプローチも販売の方に向かっていければなというアイディア段階ですけどもはい今どんな形と色をさせて頂いてる途中です
Q:こちらに入社をされたのはいつか。
A:入社したのは大学を卒業してすぐ。25年前からこちらでずっとお世話になっている。お酒造りへの思いが強くて入社をした。ただの憧れというか、日本酒のことが今思えば本当に全然わかっていなかったが、教わって、日本酒の奥深さとか、風土と言うか、日本というものを考えるきっかけにもなった。そのなかでも茨城は良い所。そして、魅力的な県でもあり、改めて、新しい発見もある。日本酒づくりに携わって本当に良かったなと思っている。
Q:若者世代の日本酒離れが進むと言われている。
A:日本酒に触れる機会というのは本当に今減ってきている。ライフスタイルはいろいろ。スマートフォンだったり、昔と違って時間を使う所がいろんなもので増えてはきて、アルコール類に触れる時間ていうのがどんどん短くなってきている。今ある日本酒の良いところ、人と人とをつなぐ高潤滑剤と言うか、こうほろ酔いになりますとこ話も進むような人と人の潤滑剤の役割があると思っている。本当に美味しい日本酒を少し楽しんで頂きながら、人と人とのこのつながりと言うか楽しみ、感じていただけたらなと思っている。