2014年01月24日(金曜日)

◎災害時放送で相互援助協定締結(茨城放送・栃木放送)

 県域AMラジオ局の株式会社・茨城放送(水戸市)と株式会社・栃木放送(宇都宮市)は平成26年1月23日、大地震や風水害などの大規模災害が起こってどちらかの設備が使えなくなった場合、復旧するまでに相手の放送局に原稿などを送って、クレジットつきで臨時に放送できるとする相互援助協定を締結しました。

 これは、近い将来発生が予想される千葉県東方沖地震や、茨城県南部を震源域とする大規模地震などの巨大地震の被害想定や、台風、竜巻、突風、原子力災害時に設備が使えなくなった際、災害時にも情報を継続的に発信できるようにするため、茨城放送と栃木放送が災害協定の締結を決めたものです。(茨城放送と栃木放送は、茨城と栃木両県の県境を中心に放送エリアが重複しています。)

 

 調印式は、1月23日の午前11時から茨城放送本社で開かれ、茨城放送の北島重司(きたじま・しげじ)代表取締役社長と、栃木放送の吉澤文夫(よしざわ・ふみお)代表取締役社長がそれぞれ、協定文書に調印しました。調印後、県庁で開かれた記者会見で、茨城放送の北島社長は「震災でラジオは情報手段として高く評価された。優位な情報をお伝えするのは県域放送の使命である。今後、ハードだけでなく、ソフトの部分でも連携したい」と述べました。これに対して、栃木放送の吉澤社長は「これまでにも友好的な関係の局だったが、協定を結ぶことで、AM局本来の緊急時の災害放送の役割がきちっとできる」と述べました。

 協定は、東日本大震災の教訓を踏まえて作成され、茨城県内や栃木県内で大規模災害が起こってどちらかの設備が使えなくなった場合、茨城放送と栃木放送は、災害放送を継続させるために必要な情報を設備が使える放送局に送って、クレジットつきで放送する一方、スタッフを派遣して放送することも視野に入れます。また、平時も、両局で毎週日曜(13:00~16:00)に同時生放送しているラジオ番組「ITSきたかん」など、ソフト供給に当たっても、両局の放送エリアの情報を同時発信しながら、相互の交流をより深めてゆく方針です。

日本民間放送連盟によりますと、同じような連携は、近畿地方の4つの県域AMラジオ局によるものや、東京ではNHKを含む5つのAM局と2つのFM局によるものなどがありますが、県域AM局同士が協定を結ぶのは関東では初めてです。

 

茨城県で栃木放送を聴くことができるのは、全世帯の37・9%にあたるおよそ41万3000世帯、栃木県で茨城放送を聴くことができるのは32・1%にあたる、およそ23万9000世帯です。

 

*周波数は、茨城放送が1197kHzと1458kHz、栃木放送が1530kHzと864kHzです。